Go with the wind

Go with the wind

         作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし
解説 アルバム『MOTHER EARTH』の12番目に収録されている曲である。13曲目にしてトリである「MOTHER EARTH」には歌詞がないので、実質、この曲がトリといえるかもしれない。「風に吹かれて」「風になれ」に並んで風をタイトルにした名曲の一つである。
 歌詞の背景にあるのは主人公と恋人とのしばしの別れである。「夢を叶えに行こう」「約束のkiss」「いつかまた会う日まで」、といった歌詞からもこの別れを出発点とし、いつの日かの再会を約束していることが明らかである。
 それにしてもこの歌の歌詞には身につまされつつ、励まされる歌詞が多い!「どんな時も諦めたくはない 自分がこの胸にいる限り」という歌詞には諦めるも諦めないも自分を見失わないことにあることを教えてくれる。「限界が見えた気になるのは 逃げたいと思う時 いつだって目先の寂しさに負けてしまうね」という歌詞には困難から逃げたいばかりに自分勝手に「限界」を設定しては敗れてきた過去を思い出されたと同時に諦めない限り限界は訪れない、との希望も与えられた。
 「信じてた僕が砕けては煌く町に消えてゆく あせる情熱 すれ違う孤独」には様々な目先の恐怖に戸惑う人間の弱さを教えられる同時にそんな世の中だからこそ、続く歌詞である「見つめ合って 抱きしめ合って 変わらぬ愛を 確かめよう」に仲間や恋人(いないけど)の大切さを教えられた。「不安に揺れてる遠い季節は君だけじゃないよ でも 持てるすべてを懸けられるのは きっと今しかないと思うから」には人間不遇のときには自分ばかりがそんな目にあっていると勘違いし勝ちだが、誰しもが感じることであり、そんな境遇に惑わされることなく全力を尽くすべきときに尽くす大切さを教えられた。
 曲の持つ雄大さに隠れがちだが、この曲ほど熱さに溢れた曲も少ない。最後に「熱い思いを抱きしめて」を続けて終了するのも妙に納得するものである。
 この際断言しよう。この「Go with the wind」は名前の似た名作映画「Gone with wind」にもひけを取らない、と。

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