Guts My Mind!!

         作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし
解説 アルバム『DA・DA・DA』の5曲目に収録。このアルバムにしか収録されておらず、ダンエモンもファンになるまでは知らなかった曲の一つである。
 この曲の歌詞の特色として挙げられるのは、主人公が極めて中途半端なところに立たされている、ということである。年齢的に言えば何かを始めるには年を取り過ぎている様でもあり、諦めるには早すぎる様でもある。勿論年齢なんて個々人の主観に差異があり、老いも若きもそのときの状況でどうとでも変化する。が、一方で世間一般の観点があり、ルールとして年齢制限の定められている事象は多い。「ヂューダ」「夢」「結婚」もなかなか煮え切らない。
 勿論主人公はそんな状態に甘んじる気は更々なく、努力もしている。歌詞の流れから平日一生懸命働き、週末の休みを楽しみにしていることや、「栄光の金バッチ」という歌詞からもOLではないかと予想される。だが、努力が必ずしもその場で望んだ形で達成されるものではないことは周知であるし、達成されているのならこんな歌は生まれはしまい(笑)。が、この歌にはそんなときに何が大切かの答えがある。
 それは「気力」である。歌詞に「気力」という言葉はないが、「失ったもの」がそれではないかとダンエモンは考える。だからこそ、「目を覚ませ Ga…… Guts My Mind!!」という歌詞に続くのだろう。更に気力を取り戻そうという歌詞はトリの「Never Give Up 深呼吸して Turn Again 思いきり飛ぼう Say Together エベレストに届くように 高らかに Ga…… Guts Guts Guts  My Mind!!」へと繋がっていく。歌詞もさることながら、そこにある比喩にも注目したい。物理的に考えて日本からどんな蛮声で叫ぼうとエベレストに届くわけはない(笑)。だが、「届くように」という気迫は幼心を漂わせつつ素直な気持ちに聞こえる。
 この歌の歌詞にも身につまされる歌詞がある。「PAPA の期待 彼の求める理想も 何もかも裏切った痛み思えば 引き返せない」である。ダンエモンもまた自分自身を育ててくれたり世話になった方々の期待を裏切りまくって生きている(結果として)。数ある摩季ソングの中では頻繁に聴く方ではないが、少なくともこの歌詞はもっともっと自分自身に言い聞かせねば、と改めて思う。

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