I can't stop the rain
I can't stop the rain
解説 アルバム『MOTHER EARTH』の10曲目に収録された曲で、アルバム『BEST OF BEST』にはライブ・バージョンが収録されている。「Tender Rain」、「RainyDays」に並ぶ雨の日の寂しさを歌った名曲である。
他の二曲にも言えることだが、主人公は雨が嫌いなのもそうだが、一人身(或いは彼氏がいても一緒にいられないとき)の淋しさが増幅される天候であることにより一層の嫌悪感を漂わせている。
主人公の淋しがっている様は「心 急ぐ雨音 聞かないようにKeep on TV」、「ひとりきりに怯えながら」、「長い夜は行けないわね やけに深く考えて」
、「抱かれて眠りたい」、「ひとりにしないで」といった歌詞を見てもくどいくらいにある。
もう一つ主人公の淋しさを増幅させているのは、恐らく「あなた」が主人公のものではない、という事実だろう。淋しさと同じに歌詞からは悔しさも漂ってくる。「演じた女に追いこされて」、「いっそ役者にないたい」、「今の優しいあなたを見て そして また 上手に 微笑むわ」という歌詞から推察するに、恐らく主人公は「あなた」に横恋慕した女性に取られたのだろう。
そしてその女性は主人公よりもいい女を演じているだけで、本音で勝負すれば主人公に勝算があるのだろう。だが、主人公の目は「演じた女」に向き、そんな現状に主人公は恋敵以上の演技を「いっそ 役者にな」って取り返したい気持ちに囚われているのだろう。しかしそれができない。淋しさの悪循環といえるのかもしれない。
雨が上がって晴々した天気になったら、あくまで本音で主人公にリトライして欲しいものである。演技はメッキ、いわば化けの皮と同じでいつか剥がれるのだから。
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