Stay with me baby

         作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし
解説 アルバム『永遠の夢に向かって』の6曲目に収録されている。他のアルバムやシングルには収録されていないが、ライブでもそこそこ歌われる曲である。
 歌詞の内容は別れ(破局か距離的な別れかははっきりしない)を目前にした主人公が打ち明けたくて打ち明けられない気持ちに苦悩しているものである。具体的にこの二人がどこまでの関係だったのかがわからないが、「あなた無しじゃ生きて行けない」の歌詞からも主人公の熱愛ぶりには疑う余地はない。「生きて行けない」という表現は少々古臭い気もするが、大黒摩季の声で力を込めて言われると真に迫るものを感じる。
 そして恋人の思いだが、「何でも聞いてくれるから」「微笑みながら傷ついていた あなたは優しい人?」の歌詞から恋人か、それに近い関係にあったことがうかがえるが、単に究極なまでに優しい人との可能性もあり、断言はできない。
 もう一つわからないのが、少し前述したが、どういう別れか?ということである。「もう二度と会えなくなるのに」の歌詞には絶望的なものが感じられるが、「変わるから 大人になるから」という歌詞からまだ希望を抱いていることもうかがえる。背景がわかり辛いのがこの歌の欠点であり、明確でないからこそ色々なパターンを想定して楽しめるとも言える。不思議な曲である。
 歌を歌詞で見たとき、印象深いのは最後の方にあるのだが、個人的に一番心打たれたのは「人はどうして恋をするの? 独りぼっちでも眠れるくせに 疲れた心慰めてくれる 優しさに甘えていたいもの」の部分である。
 もっとも恋の目的が寂しさを埋めるのが第一目的であってはいけないと経験上(苦笑)思うので、鵜呑みにはしてはいけないとも思うのだが、主人公が如何に相手に惚れているかはその後の歌詞からも明らかなので、ここはこの男が主人公にとって如何に心安らぐ存在であったか、という視点でこの歌詞を堪能したいものである。

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