愛は眠らない Have you never been mellow

作詞 John Farrar 日本語詞 椎名恵 作曲 John Farrar 編曲 戸塚修


解説 初期の椎名ソングの例にもれずこの曲もまた水曜ドラマ−『花嫁衣裳は眠らない』の主題歌に使用された。はっきり行ってあのドラマ・配役には勿体無い主題歌であると当時道場主は本気で思っていた(笑)。
 この曲は椎名さんのセカンドシングル曲で同様にセカンドであるアルバム『Le Port』の四曲目に収録されているのに始まり、10thアルバム『蒼の時刻』のトップにも、バラード集、シングル集、ベスト版などにも時々その名を連ねる代表的椎名ソングである。

 平成11(1999)年12月25日、東京は表参道のモーダポリティカで行われた椎名さんのライブにおいて、椎名さんが観客にリクエストを求めたとき一人の女性が「「愛は眠らない」!!」と二回ほど叫んでいたのを覚えている。結局「29 Twenty-nine」「LOVE IS ALL」が歌われたのだが、女性の声が届きながらピアノ一つの演奏だった為に「愛は眠らない」が見送られたのはダンエモンにとっても残念だった(苦笑)。

 副題の「Have you never been mellow」は今でも有線やCM、ドラマの挿入歌として時折聞かれる曲である。
 詳細はダンエモンの調査不足ゆえにご勘弁願いたいが(苦笑)。椎名さ〜ん!どうして『TOY BOX』にこの曲入れてくれなかったんですか〜?(泣笑)。

 では本来の目的である歌詞の解説に入る。
 これも椎名ソングによくある、愛に出会えたことを喜ぶ曲の一つだが、正確にはその喜びを信じて、それを求める気持ちを捨てまいとするところを指して「愛は眠らない」としていると見受けられる。
 「あなたの姿を 探していたの」「失くしかけていた 夢」「いつだって ひざをかかえてきた」「あきらめににた 弱い心」「夢なんていつも 逃げてしまうけど」と執拗に繰り返される壊れ易い希望を述べる歌詞には主人公が今まで幾度もの夢に敗れてきたであろうことは想像に難くない。
 そんな苦しみに耐えて生きてきた主人公が望むものを述べた歌詞が「ひと言でいいから」「信じていたい」とうささやかなことであることを見ると主人公は人間にとって本当に大切な強さをよく知った人間であることが窺え、それはそっくり椎名恵というシンガーソングライターの魅力でもあるとダンエモンは確信している。
 「苦しむことに おびえないで」とは主人公が自分自身に云い聞かせた歌詞であると同時にダンエモン自身にも向けられていると信じてこの解説を閉めたい。


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令和五(2023)年九月一五日 最終更新