『愛してる』のかわりに〜Everything in my heart〜
解説 アルバム『PRESENTs』のニ番手にエントリーされているこの曲における主人公の立場は今一つ掴み難い。少なくとも思い人にはちゃんとした恋人がいて、叶わぬ願いに苦しんでいるのははっきりわかるのだが…。
歌詞から類推するに、「あなたが帰る」に対する「行かないで」の歌詞があり、「ひとときのつもり でも 無防備な 無垢な笑顔に」や「二人で現実から抜け出し戯れる nudeな別世界」といった背景を見ると、主人公と想い人は道ならぬ恋=不倫or浮わ気の仲ではないだろうか?ズバリ論述すれば、肉体のみの関係という気すらする。
タイトルにある様に、「『愛してる』のかわりに」という「かわり」を必要とする事から『愛してる』という言葉が出せない事情の存在がうかがえる。「抱きしめて」もらえても、「甘いKiss」をもらえても、そうありながら肝心な言葉が出せない残酷さが浮き彫りになってくる。
そして最終的に主人公はそんな甘い快楽が得れても肝心な心と言葉と立ちがが得られない宙ぶらりんの状況を苦渋の決断で断ち切ろうとうする姿がうかがえる。
「Setting singing smile Setting crafty life 涙になる前に抱きしめて つのる想い閉じ込めて」や「美しいラストシーンを 捧げよう」といった歌詞がその表れであろう。
そして、最後にそういう台詞を持ってきながらも、そこに至るまでに出てくる「行かないで」、「待ちわびて」、「そう私にも居場所があれば」、「もうすべてが欲しい」といった未練を感じさせる歌詞の存在や恋敵を「少なくてもToughで正直な人ね」と自分にないものを持った存在と見ているところに主人公が自らの弱さと向き合っているところを見逃しては行けないと思う。
様々な想い、決意、苦悩、そういったもの何もかもを受け入れて昇華しようとしているからこの歌のサブタイトルは「Everything in my heart」となるのだろうと論述して解説を終わりたい。
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