愛することfeaturing米倉利紀

         作詞 大黒摩季 作曲 建部聡志 編曲 建部聡志
解説 6thマキシシングル「いとしいひとへ〜Merry Christmas〜」のC/W曲である。一部例外を除いて自分で作曲を行う摩季さんが、建部聡志氏に作曲を委ね、米倉利紀氏とデュエットで歌っているのが異色だが、私は両氏のことを全く知らないので、歌詞だけを追うことにする。
 背景的には仲の良い大学生が日々の交際の中でいつしか友情を愛情へと昇華させていたが、卒業して離れるまでそれに気づかず、後になって衝撃を受ける、という良くあるパターンである。
 そしてその思い出と過去への反省から主人公が大切だとしているのが、「知ること」である。「愛を知ること」でその素晴らしさを重んじ供に未来を目指す大切さを、「果てを知ること」で悲しい境遇に陥った時にこそとも励ましあってそれを偲ぶ強い意志を、「哀を知ること」で喜怒哀楽に翻弄されない人生の思い出すべてを大切な1ページとして受けとめる覚悟を歌い上げている様が秀逸である。
 この曲でもう一つ注目したいのは過去・現在・未来の三世(←仏教的表現)を「プレリュード」 (前奏曲)、「ラプソディー」 (狂詩曲)、「シンフォニー」 (交響曲)、「フィナーレ」 (終楽章)と人生の一コマ一コマを音楽名で表現しているところである。人生は歌劇の如しである、との例えだろうか?どうせならそこに後、ロンド(輪舞曲)、セレナーデ(小夜曲)、レクイエム(鎮魂曲)、カンタータ(交声曲)、バラード(譚詩曲)、トッカータ(即興曲)も加えて欲しかったものである(←わかる人だけ笑って下さい)。
 少し話を戻すが、なるほど「知ること」は万事において大切である。無知が生み出す悲劇は枚挙に暇がなく、また知るべきときを誤るのも悲劇の素となる。だが、小さな親切、大きなお世話かもしれないが、知り過ぎることもよくない面があるのを主人公は知っておいて欲しい気がする。ある意味主人公には同情しているので。
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