あぁ(セルフカバー)

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 Beingスタッフ

解説 大黒摩季さんの初のセルフカバー・アルバム『LUXURY 22-24pm』の7曲目に収録。
 歌詞内容は原曲と変わりはないのだが、原曲に比して軽やかで歯切れのいい歌い様となっている。
 ちなみにセルフカバーであることを念頭において収録曲を聴く中で、ダンエモンの一押しはこの「あぁ」である。


 この曲は敬愛する人の持つ強さを見習って、自分の思う未来に向かって強く生きていこうとの意志に溢れているのが魅力と考えているのだが、原曲が思いの強さだけで唄っているのだとしたら、今回のカバー版は過去・現在・未来を熟考し、「君」への想いに自己を上手く重ね合わされているように感じられた。
 誤解を恐れずに言えば、かつての摩季さんには、今回のカバーのような「あぁ」は唄えなかったとダンエモンは考えている。
 勿論それは技量だけの話ではなく、原曲から10年以上の時を経た人生経験を重ねあ合わせて歌詞の一言一句に込めて唄えばこそで、それは多かれ少なかれ『LUXURY 22-24pm』収録曲のすべてに共通する傾向であり、同時にそれが最も素晴らしいのが「あぁ」である、と見ているのである。


 ちなみに上記の論述は摩季さんのオフィシャルサイトである『M’DRIVE』の掲示板である「FANLOG」にて、摩季さんが同アルバム収録曲の中から一押しの曲と選択理由を募った際に書き込んだ内容と同じものである。
 言い換えれば、ダンエモンが摩季さんに問われた際に反射的に感じた、ダンエモンの最も基本的な感想でもある。


 原曲を初めて聴いた時、最も心に食い込んできた歌詞が、「人はどちらにつくかで見方が変わってしまう あれは 身を引いたのか それとも 逃げだしたのか」なのだが、10年の時を経てこの歌詞を沈思黙考し、思うのは人生とはかような出処進退を何度も求められ、時に正解を選び、時に間違いを選ぶ訳だが、偽ることの出来ない自らの心を顧みれば、何が正しくて何が間違っているのか分りそうでその通りに進めない事は本当に多いものである。
 そしてそれゆえに人生には艱難辛苦とそれを乗り越えた時の喜びが繰り返されるのだろう。
 だからこそ「胸の奥の夢だけ抱き締めて 今夜は眠ろう」との想いはどんなに辛い時にも大切で、同時にどんなに辛い時にでも抱けることであることが良く分かるのである。この歌詞が最後に歌われている理由と共に。


摩季の間へ戻る

平成二一(2009)年四月一二日 最終更新