always love you 〜恋しくて〜

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 十川ともじ

解説 岡本真夜さんの5htミニアルバム『Love Stoy』の7曲目に収録。
 「恋」の解説にでも触れたが、同アルバム収録曲には失った恋を惜しむ曲が多いのだが、その気持ちが特に強いのが「恋」とこの「always love you 〜悲しくて〜」とダンエモンは見ている。

 一方でこの曲の曲調は『Love Stoy』収録曲の中で最も穏やかである。歌い様も時々かすれ声が混じっており、「それはあたたかく 日溜まりのようだった」「かけひきもなくて 強がりもない恋」「出会ったことは必然で 懐かしい風を感じた」「そばにいるだけで それだけでよかった」との歌詞から、仲のいい友達からごく自然に恋人同士になった様な自然体な雰囲気で曲全体が覆われている。

 だが、その失くした恋を惜しみ、執着する様子は他の収録曲に劣っていない。
 「もう一度」「あの日から 君を探し続けてる」「変わらずに愛してる」「失った今も ただ君を想うよ」と云った歌詞からくどいぐらいに連呼されている。歌詞全体と云っていいぐらいである。
 推測するに、「君を探し続けてる」とあることから、現状では両者の距離は離れており、下手したら「君」の現在地を把握していないことも考えられる。それだけに付き合っているときには自然体過ぎて然程実感していなかった恋の貴重さをより深く感じているのだろう。水や空気の様に、日常に当たり前に存在しているものほどその有難みに気付き辛い様に。

 勿論、穏やかだからと云って情熱性が無い訳ではない。
 「星をかきわけて 一瞬でも会いに」「抱きしめて 寄り添って 君にキスをした」といった情熱的な歌詞も散見されるし、ラストが「忘れない 君といた穏やかな時間は 今も生きている 君に恋をしたまま…」と締められていることから、別れてから次の恋もしないぐらいに「君」を想い続けているのであろう。

 悪く云えば未練たらたらの曲だが、別の云い方をすれば一途さと、恋が穏やかゆえに大切だった時間であったことを感じさせてくれる曲である。
 もし願い叶って、主人公が「君」との再会を果たしたら…………「もう一度だけ」じゃ済まないだろうな(笑)
 

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令和五(2023)年一月一二日 最終更新