作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 西垣哲二＆岡本真夜
解説 岡本真夜さんの8thアルバム『Soul Love』のトリである10曲目に収録。一言で形容するなら「誓い合いの曲」と言えようか？
甘ったるい曲調の中にまず主人公側が「忘れない」、「覚えてる」、「愛してる」と誓った上で、次に「あなた」に「忘れないで」、「覚えていて」と自分への愛を誓わさんとしている訳だが、そもそも「二人で誓った あの日の約束」とあることからもこの愛は決して一方的なものではなく、「傷ついて それでも 信じ合って 選んだこの恋を」とあることからもそれなりの時間と多大な苦難を乗り越えた果てにある恋であることも覗える。
人間は大切な人に先立たれる時に、その人が大切であればあるほどその人と出会うまでの時間がとてつもなく長いものであり、同時にその人と出会ってからの時間がとてつもなく短いものであることを思い知る(勿論実際の長短と関係ないフィーリング的な意味でである)。だからこそとくに年齢を感じさせる歌詞がないにも関わらず人生が限られたものであることと、楽しく嬉しい時間ほど短いことを思い知らせる「Ａｈ 限りある時間の中 星空に願い続けよう 永遠に二人 はぐれないように」
という歌詞が出てくるのだろう。
「限りある時間」と「永遠」は一見正反対の存在だが、主人公が歩んできた苦難の後に残された時間と、そこに存在する愛への想いを思えば丸で矛盾しないことが素晴らしい。
歌詞としてもう一つ注目しておきたいのが「たとえ離れても 二人の時計が止まっても あなたを想ってる この気持ちは いつだって with you」である。
長い苦難の時を経て、(恐らくは)互いの命が果てるまで共にあらんことを誓った愛で、人生が有限であるからこそ「二人の時計」に刻まれる時間でありながら時の長短を無視してただ一緒にいたい気持ちが何とも言えないのだが、「with you」と締めている所に同名の曲である「With you」を連想する真夜ファンは決してダンエモン一人ではあるまい。実際この曲でも「With you」を連想させることを意図したものか、「with you」の歌詞は少しかすれ気味の小さな声で歌われている。
最後の触れておきたいのはラストの歌詞であり、タイトルでもある「あなただけに贈るLove song」についてである。真夜ソングは時には相手が自分の方を見ていないことや、他の女性に関する事柄が絡むだけで怒りを露わにする、悪く言えば嫉妬深い、別の言い方をすれば「私だけを」の概念が強い。
だからこそ「あなただけに」との思いをラストとタイトルに託す姿に微笑ましいものを感じるのである。ダンエモンも独占欲が強いからな(苦笑)。
真夜の間へ戻る 平成二三(2011)年三月八日 最終更新