Angel tell me

作詞 L.C.COHEN C.AZARCON日本語詞 椎名恵 作曲 西村りか 編曲 大友博輝
解説 春の曙か夜明けの爽快感にも似たこの曲は椎名恵さんの記念すべき20枚目のシングル曲である。アルバムでは16thアルバム『Tell me』の9番目に収録されている。
 タイトルに「Angel」とあるところときりのいい枚数を考えると自然とデビュー曲の「今夜はAngel」が思い起こされる。
 作詞者の名前を見ると久々の洋楽カバーかと思われるが、作曲者が日本なので、歌意外の詞(つまり楽曲に限らない)を椎名さんが日本語訳したのだろうか?ちなみに作曲者の名前の語感は双方とも英語っぽくないのだが、どうなのだろうか?こんなサイトを作るぐらい椎名さんの事が好きなのに行動力や捜査力が伴わない事が悔やまれる。
 椎名ソングには出逢いの喜びを歌うものも幾つか見受けられるが、その喜びの大きさがこの曲に敵うのはそうそうないのではないかと思われる。そんな気分にさせてくれるのがこの曲である。
 恋を失って希望や気力を失っている女性の姿は椎名ソングに良く現れる。この曲も冒頭で「信じる事が怖くて 心を閉ざしていた 光のないくらい夜を待っていただけ」と振り返っている。しかしこの曲の主人公はそんな状態にあっても「誰かを好きになる事 忘れないで生きてきた」と言い切っている。「眠っていた情熱が目を覚ましたのよ」ともあるように暗く生きてはいても心底に本来の自分を持っていた様が秀逸である。
 この曲の魅力、というか主人公の目的を挙げるなら、主人公が心を閉ざして生きてきた果てに出会った「あなた」を明らかに自分以上に大切に思っている所だろう。「あなたの幸せだけを ずっと願い続けてる」の歌詞がその筆頭で、「心までふるえ」てくる「寒い風が吹く夜」「眠れるようにやさしい歌 歌ってあげたい」なんて、ダンエモンがそんなこと言われたらさぞかしタマランこどだろう(笑)。
 ここでチョット考えさせられる歌詞を紹介したい。それは「ときめきならば一時だけど 温もりはつなぎ止めてゆけるoh,Angel」である。普通、直接からだをあわしたり、シチュエーションによって与えられる「温もり」の方が「一時」で、永遠に心に残る「ときめき」の方が「つなぎ止めてゆける」ものだと考えるところだが、主人公が「温もり」を確かなものとして記憶に留め、何度も何度も感じたいものとして「ときめき」「一時」のものであるという風に考え、敢えて逆に置いているのだとしたら大変秀逸であり、こんな女性が目の前にいたらダンエモンは間違いなく惚れるであろう。
 主人公はサビの部分で何度も「Angel」「私の愛は届くでしょうか あなたの胸に」と問いかけているが、ダンエモンが「Angel」なら(←「イメージできねぇ…」by道場主)、「野暮なこと言うなよ(笑い)」と言いたい所である。主人公は納得しないだろうが、こんな主人公の想いが届かない「あなた」なら愛するに値しないと考えてしまう。主人公の信念は天界九等の最下位である「Angel」は元よりより上位の大天使や天使長にも恥じる事はないだろう。勿論御仏を前にしても(笑&本音)。


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