ANNIVERSARRY

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 小川知司


        
解説 フォース・シングル「そのままの君でいて」のC/W曲で、アルバムではサード・アルバム『Smile』のトリである10番目、アカペラアルバム『Crystal Scenery』でもトリの7番目、更にはベスト版アルバム『RISE Ⅰ』でもトリである14番目に収録。
 真夜ソングの代表的存在ともいえる一曲で、ダンエモンは平成11(1999)年の魔法のリングにKissをしてツアーで初めて真夜ライブに参加したが、その時にもトリを務めているのを見た。本当にトリ尽くしの一曲である(笑)。
 ただ、ミニアルバム『笑顔のおまじない』で平成31(2019)年4月6日に銀座王子ホールのライブで歌われたこの曲が収録された際はトリを「TOMORROW」に譲っている。

 シングルのA面である「そのままの君でいて」同様に再会が背景にあるところが興味深い。もっとも同じ再会でも赴きはかなり異なる。
 「そのままの君でいて」が遠距離交際の中での1年振りの再会、と思われるのに対し、この「ANNIVERSARRY」は普通に付き合っているカップルが、タイトル通りの「ANNIVERSARRY」-記念日(何の記念日かは不明)に記念の場所で会う意味合いの再会である。
 記念日に相応しく、甘ったる〜い雰囲気の中で主人公が馳せている想い、「X'masには甘いキッス」「誕生日は赤い花束」「春になったら 桜」「九段下 手をつないで」、等はほのぼのしてきて聴いているこっちが恥ずかしくなってくる(笑)。全くもって幸せそうな雰囲気である。

 さて、そこで注目したいのが、「いつかセイシェルの夕陽を見よう 二人で写真もいっぱい撮ろうね あなたの生まれた街にも連れってってね ずっとそのままのあなたでいてね」の歌詞である。様々な思い出の上にも更なる未来を重ねたい、との意欲が強く感じられ、さりながら「そのままのあなたでいて」欲しいとの想いが大変温かく、微笑ましい。
 この歌の未来を見据えている姿勢の魅力として最後に挙げたいのが、「何年 経っても ときめいていたい」で、更に「九段下手をつないで」「あなたに ときめいていたい」のアレンジがあるのが見逃せず、この微妙なアレンジが歌詞の魅力を際立たせている。
 結論、正に真夜ソングにとって「ANNIVERSARRY」となり得る一曲で、ダンエモンも今後のライブでの幾度もの拝聴を楽しみにしたい。


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令和六(2024)年五月九日 最終更新