蒼いイヤリング

         作詞 椎名恵 作曲 Mike Kent 編曲 樫原伸彦
解説 椎名恵さんの21thシングル「Mediterranean Breeze and Beam〜地中海の風と光〜」のC/W曲である。「蒼」がつく他の曲では「蒼の時刻」が挙げられるが、「青」ではなく「蒼」とするところの意味をダンエモンはつかんでいない。誰か御存知の方、教えて頂けません?(苦笑)
 化粧やオシャレの記述が少ない椎名ソングにあって、「イヤリング」が重視されているのは珍しく映るが、この曲に登場する「イヤリング」には装飾品としてのレゾンデートル(存在意義)よりも、「あなた」との回り逢いのきっかけとなった思い出の品としてのレゾンデートルの方が遥かに強い。
 冒頭に「最初の出逢い、憶えてる?」とあるように、主人公が「片方落とし」、それを「あなたが見つけてくれた」事で二人が出逢い、いつしかそれが恋に発展すると言う丸で二昔前の少女漫画のようなストーリーがこの曲の背景にある。
 その出逢いのきっかけとなった「蒼いイヤリング」を主人公は当初「まるで私の心のように 頼りなかった」「本当は孤独を隠すため ただ飾りが欲しかった」程度の物としていたことから、「イヤリング」に金銭的価値や芸術的価値はさほど大きな物ではないと見える。
 しかしきっかけとなってくれたことで「今はあなたに逢わせてくれた 大事なお守り」とし、そんな強き想いを抱ける人間になれたからこそ、「辛い夜明けを迎えても 冷たい雨に打たれても ずっと愛を信じていれば」という歌詞のような信念も抱けるようになっている転が興味深い。
 個人的に注目したいのは愛を信じた結果に「照ら」してくれるものを「月」としていることである。普通照らすことを考えるなら「月」は太陽に遥かに及ばない(太陽の光を100受けたとして、その内の6しか月は地球に反射していない)。恐らくこれは「イヤリング」が放つ輝きを比喩したゆえの事だとダンエモンには思われる。
 「ここから二人、同じ道 見つめ続けていくでしょう」とあるように、恋愛は出逢いも大切だが、その後の恋の語らいはもっと大切である。主人公にとって「イヤリング」より大切なものは幾らでもあるのだろう。
 しかしその中にあって、出逢いのきっかけとなったゆえに心の拠り所ともしている「イヤリング」の存在意義を歌うこの歌がより輝いて欲しい未来を太陽、としているなら、ささやかでも輝きのきっかけとなったイヤリングの輝きをほのかな月光に例えているのだとしたら何とも見事な比喩である。ひたすらダンエモンの見解が憶測が生んだ妄想として消えない事を祈るのみである(苦笑)。
 「孤独を隠す」だけの存在でしかなかった「イヤリング」「大事なお守り」となる。勿論物である「イヤリング」の金銭的価値が変わる訳ではない。しかし人生の渦中や心の持ち様でこうもその価値と存在意義は変化する。この事を持って人間なら尚の事、心の持ち様や人生観で変わり得る−いつでも成長し得るもの、として取られる様には出来ないものだろうか?


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