作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 岩瀬聡志、西垣哲二&岡本真夜
解説 真夜さんの9thアルバム『season』の2曲目に収録。またデビュー20周年記念アルバム『Mayo Okamoto 20th anniversary ALL TIME BEST〜みんなの頑張るを応援する』の10曲目にも収録されている。
スキマスイッチの大橋卓弥氏とのデュエット・ソングで、成田有里江さんとのコンビであるラブ・キューピッド以来で、アルバムでは勿論初めて。
ちなみに自分が敬愛するアーティストに関してはこんなサイトを作るぐらい凝るが、敬愛するアーティスト以外のアーティストに関しては恐ろしいほど無知なダンエモンはスキマスイッチのことも大橋氏のことも全くと言っていいほど知らない。まずはその事実を明らかにした上、そんな無知の分際で解説を行う非礼をスキマスイッチファン並びに大橋氏のファンの方々にはお許し願いたい。
では本題だが、まずは冒頭の「悲しみなんか吹っ飛ばせ!」の歌詞がThe Baetlesの「You've Got to Hide Your Love Away (邦題:悲しみをブっ飛ばせ)」を彷彿とさせる。
真夜ソングに悲しみから立ち上がらんとする歌詞の歌は決して珍しくないが、激しい論調で唄われるのは「この街は眠らない」を初め、然程多い訳ではない。そして「この街は眠らない」が明らかに自分以外の誰かに呼び掛けているのに対して、この「明日ハレルヤ!」では自分自身に呼び掛けている色合いがかなり強い。
それは「残念ながら 私の心は まだ くもり時々雨 あと1歩が踏み出せ 右往左往 beak down」の歌詞を始め、「愛想笑い 自信喪失中」や「情緒不安定な日々」の歌詞に見られるように、第三者には知り得ない心の葛藤を直している面から窺える。
そして心の葛藤は真夜さんと大橋氏がロールプレイで歌い分ける「誰かの前で(弱音吐けたら) 楽だろうにな(でも言えないよ) 不器用なりに(笑って) さぁ 歩き出そう」と「失敗恐れて(守ってばかり) 思い出すんだ(あの頃の自分) 不器用だけど(そろそろ) さぁ 立ち上がろう」の歌詞に見事に表れている。
特に前者は主人公の葛藤の原因が「気づけば周りに服の色合わせ」るように生きないと不安に押し潰されそうな自信無き日々にあることを、後者はそんな中でも「何度も 何度も 信じて」追い続けてきた夢があるからいつまでも凹んでいられないという意思が表わされており、さながらデュエットする真夜さんと大橋氏の役割分担とも相俟っているように感じられる。
人間は独りでは生きられない。かといって周りに頼ったり、顔色窺ったりしてばかりの日々で自己の意思をなくすようでは、それは「生息している」のであって、「生きている」とは言えないだろう。
結局の所、自分のやりたい事、自分のなりたい者を一番よく知るのは自分自身に他ならない。やりたい事が出来ず、なりたい者になれない原因を周囲に求めるのは容易だが、解決にはならない。
何故ならそれは周囲が助けてくれる問題ではなく、解決して周囲が喜ぶ問題ではないからである。
解決して嬉しいのも、解決できないと悔しいのもすべては自分自身の問題、つまりは心の持ち様なのである。
だが、それは決して難しい問題ではない。
自分自身で決めるゆえに、目的レベルを下げれば容易にクリアできる、というそれこそレベルの低い見方も一応はあるが(苦笑)、真面目に答えると、気持ちの問題が根本にある故に本気かどうかでまずは第一歩が大きく異なる、と言える。
人間誰しも自分を偽ることは出来ない。それゆえに例え実行動や具体的な成果に到達していなくても、心にしっかりとした本気の決意を持っていれば、惰性で行動しているだけの人生よりもより大切な一歩を踏み出せていると言える。
だからこそ最後の最後で「ほんのちょっとの勇気で 夢に近づくはず」と歌われているのだろう。
根本は「絶対 あきらめないよ」という気持ちなのである。
真夜の間へ戻る 平成二七(2015)年八月八日 最終更新