明日へ

         作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 森俊之
解説 5thアルバム『魔法のリングにKissをして』の10曲目に収録。一般には真夜ソングとしてより広末涼子に楽曲提供され、さくら銀行(現三井住友銀行)のCMソングに使われた曲としてのほうが有名である。
 同じ広末への楽曲提供曲でも「大スキ!」に比べて明らかにこの「明日へ」の方が広末より真夜さんに似合っている。ダンエモンは「1999魔法のリングにKissをしてツアー」と「2000RISEツアー」の両方でこの曲が歌われたのを目の当たりにしているが、特に後者では当時身重だった真夜さんが僅か3曲しか立って歌わなかった内の一曲である事が忘れられない。観客もそれに呼応して立ち上がったものである。
 歌詞の内容を一言で言い表すなら「旅立ちの曲」と言えようか?そしてそのきっかけは恐らくは卒業である(根拠となる歌詞→「これから始まってく 新しい生活」「みんなの寄せ書き」)。また、新たな生活・人生へのエネルギー源を「君の笑顔 君のやさしさ」としつつも「みんなで過ごした日々」「みんなではしゃいだ海で会おうね」といった歌詞に見られる様に「みんな」の存在も大きい。
 さて、この歌詞における「君」だがイマイチ主人公との対人関係が断定し辛い。笑顔や優しさをエネルギーとすることから恋人と捉えるのが順当だと思うのだが、「ふられた夜も ケンカした日も そばにいてくれた」とある為、同性の友達とも捉えられし、そもそも主人公にしても「君」にしても性別を特定させる必然性ある歌詞はない。よく取れば汎用性ある歌詞とも言える。
 この歌の歌詞が持つ魅力としてあげたいのは歌詞で表すなら「一人だけど でも"独り"じゃないよね」「寂しくなっても いつも心に みんないるから大丈夫」である。距離が離れれば必然その存在感は希薄になって行く。目の前にないものを心の拠り所とするのはなかなかに大変なことである。それに少しの迷いも見せていない歌詞はある種の凛々しさすら感じさせる。勿論歌詞全体におけるコアにして最大の魅力であることは言うまでもない。
 最後に「みんなで過ごした日々は"宝物"」の歌詞が否が上にも同名の真夜ソング「宝物」の存在を彷彿とさせることを挙げて締めとしておきたい。
 

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