Baby Baby Baby

         作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 
解説 何となく気の長さを感じさせるこの歌はアルバム『O』の10番目の曲である。かつての愛と、長い間それを終わったものとして秘めてきた雌伏の時、そして再び愛することへの決意、といった展開が穏やかな曲調の中に綴られている。
 さて、タイトルにも使われている「Baby」という名詞だが、ここでは勿論赤ん坊を意味するのではない。よくロックなどで男から恋人へ呼びかける際の代名詞の様に使われる言葉で他の単語で言えば、「Honey」または「Darling」といったところだろうか?日本語に直すと「子猫ちゃん」だろうか?(なんか鳥肌立ってきた……)。只、「Baby」そのものはライトな感じの単語で、この歌も穏やかな曲調でありながら繰り返されるこの単語に内包される感情はかなり強いものがある。
 また、これまでに至る経緯に込められた感情も無視できない。「気づかないほうが良かったよ」「ずっとあなたが好きだった」という歌詞には別れてから思い続けた辛い日々がストレートに表れているし、そしてそんな辛い過去の日々を重ねてきたからこそ、今「忘れたはずのOld Beautiful Memories あなたの中で溶けて行く」と言えるのだろう。同様にその気持ちを上げている歌詞として「大人になるって素敵なことね」があげられる。
 とかくこの歌の歌詞には過去よりこれからが大切であることを歌う一方で、過去があったからこそ今があることも同時に歌い上げている。でなければ「あの日の私」「懐かしい歌」などと言う言葉は出てこないだろう。こだわりと切り捨てが矛盾なく歌いあげられている点は特筆に価する、と言えば誉め過ぎだろうか?
 そして最後に注目したい歌詞は「Please, Stay Where You Are」である。日本語に直訳すれば「何処にいようと側にいて下さい。」だが、このただ側にいたい、という気持ちは多くの摩季ソングで歌われている。「ふたり」「You are not mine」などにも顕著である。どうもダンエモンには摩季ソングの中にあって激しい曲調を好む傾向にある。だからこそ「側にいたい」という摩季ソングのツボをこの歌が外していないのは嬉しい物がある。
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