バスルームから愛をこめて

         作詞 康珍化 作曲 亀井登志夫 編曲 大黒摩季とフレンズ
解説 大黒摩季さんがボーカル、建部聡志氏がキーボード、真矢氏(LUNA SEA)がドラムス、恩田快人氏がバス、土谷公平氏がギター担当のバンド−大黒摩季とフレンズのアルバム『COPY BAND GENERATION VOL.1』の3曲目に収録。
 原曲を歌うは山下久美子さん。もっともダンエモンは「ズームインSUPER」にゲスト出演した摩季さんがこの曲を歌ったこてで初めて知識を得た(苦笑)。つくづく自分がファンでないアーティストの曲を知らなさ過ぎる事を恥じるとともに、そんな状態でこんなサイトを作る自分に妙な度胸を感じたりしている(苦笑)。
 歌詞全体の流れは、おそらく振られたであろう女性が自分一人の世界である「バスルーム」で男性への軽い恨みと、いつの日かそんな相手を見返すことで後悔させる決意をしつつ、その心情の裏に捨てようにも捨て切れない相手への思いを滲ませる、と言う切ない内容になっている。  注目すべき歌詞はやはり「だけど ほんとに好きだったの」だろう。他の摩季ソングや他の歌手の間でも何度か書いているが、本音とは自分だけのもので、同時にどんな嘘や詐欺の天才にも偽れないものである。
 そもそも、別れに苦しさや悔やみが全くなければ歌としてのレゾンデートル(存在意義)を持たない。正直、ダンエモンが女性に「あんな浮気な 男なんてさ あたしの方から 別れてやるわよ」と言われれば、「それでいいんじゃない?」で終わらせるだろう。いちいち口にすると言うことは繋ぎ止めたい思いがあるわけで、別れに迷いがなければ「別れた。」で終わると思う。
 勿論上記の事は歌を非難しているのではなく、「バスルーム」と一人の世界で聞かせる相手もいない筈なのに出て来る愚痴に含まれる意味を重視すべし、と訴えたいのである。  そして「ほんとに好きだった」からこそ消えてしまった恋に「シャボン玉」の如き「はかなさ」を感じ、悔しさが増すのだろう。「おまえとおれと 二人でひとつなんて 言って」いようと消えてしまえば意味はない。否、思い出す台詞がある分、辛いものもあるだろう。
 だが、恨みつらみも全てはいまだ「あんな浮気な 男」を想っているから、そこに「愛をこめ」てしまう、そんな主人公の姿は憐れながらも尊いとダンエモンは思うし。それが「バスルーム」という聞かせる相手もいない筈の密室から送られる故に。

摩季の間へ戻る