ボクは太陽、キミは月

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 西垣哲二

解説 岡本真夜さんの6thミニアルバム『笑顔のおまじない』のトップである1曲目に収録。同アルバムの3曲目以降は既存曲(「Alone」「君だけのStory」「ANNIVERSARY」「TOMORROW」)をライブにて歌唱したものを収録した者なので、この「ボクは太陽、キミは月」がある意味のトリでもある。

 この曲の主人公の恋人である「君」への想いを一言で云い現わすなら、「ずっと守りたい」であろう。
 万物を温かく照らす「太陽」如く的な想いがどこか青臭くて微笑ましい。別の云い方をするなら「純粋」と云えようか?
 「名前を呼ぶ 道を照らす」「呆れられても 君が笑ってくれるまで」「不器用な君を ずっと守りたい」「いつだって君の味方」と云った、見守るような、何処か保護者的な歌詞がともすれば「君」を子供扱いしているように見えそうだが、よくよく見るとそうでもない。

 「そばにいないと寂しい」「限りある時間の中で」と云った歌詞から、主人公の方こそ寸刻も共に在れないと辛いと云う想いを抱いており、「幾億の星の中」と例えた人と人の数え切れない出会いの中で「君と出逢い 君と恋した」ことをかけがえのないものとしている。
 確かに月は「太陽」が無いと自らは輝けない。だが日月という言葉がある様に、対となる存在の月があってまた「太陽」がより燦然と輝くのまた事実なのだろう。

 最後に注目したいのは「傷つかないように生きてきた君 出会ったことで 少しは変われたのかな」の歌詞である。
 歌詞全体を大雑把に見れば、「君」は余り強い人間には見えない。それ故に主人公が守ろうとしているとも。だが、この歌詞に注目すると、主人公が「君」を守りつつも、共に困難に挑んできたことが伺える。
 推測だが、主人公とて格段に強い人間であるとの描写はなく、数え切れない人と人との出会いの中で奇跡に等しい貴重な出逢いをした「君」の為だから頑張れるのだろう。

 「太陽」は月より遥かに大きいけれど、その距離故に日食の際には遥かに小さな月に遮られる。強きと弱きがあっても互いの交わり様で双方が様々な存在となり得るとをこの歌に教えられた気がした。


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令和六(2024)年五月七日 最終更新