CRESCENT
解説 6thアルバム『Ces't la vie』の5曲目に収録、また10枚目にしてアルバムと同名のシングルのC/W曲でもある。テレビ東京系ドラマ「月曜・女のサスペンス」エンディングテーマ曲に使用されていた。ダンエモンはドラマの主題歌に遣われた椎名ソングをまとめて収録したアルバムで初めてこの曲と出会っており、ドラマは観たことはない。
背景を探ると主人公は一つの恋を終えた直後で、恋愛中には「冬の夜がこんな 静かすぎることを 今まで気づかなかった」ほど恋に夢中だった様である。そしてそんな熱愛の相手であった「あなた」を懐かしむ歌詞−「とても独りきりじゃ いられなくなって あなたを想い出すけれど 何故かつらい顔ばかり浮かんで 悲しくなる」や「愛と夢を くらべてた日のこと 悔やんで」−がある一方で「突然会いに来て」欲しいのが「あの頃のあなた」であることを見れば最後はきれいじゃなかった様である。
歌詞の中で特に印象に残るのが「あぁ 自分を信じてる やりたい様に生きてる だけどいつも残る空しさ」である。思い通りにならないことが多過ぎる人生にあって、その現実を承知するなら「やりたい様に生き」ることは誰しもが望むことである。だが結局の所結果が伴わなくてはその意味は激減する。
結果だけを見て過程やその時の想いを一顧だにしない見方はダンエモンは嫌いである。だが結果が伴わなくて一番悔しいのは当の本人である。主人公の「むなしさ」もそこにあるのだろう。
タイトルにある「CRESCENT」を英和辞典で引くと三日月の状態を示す語とのことである。主人公の自らの意志に従って選んだ道にあっても理想であるあの頃の「あなた」と供にいる事を満月とするならそれがが叶わない、充分に満たされていない状態を三日月=「CRESCENT」と例えているところが何とも絶妙である。
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