dancing of moon-light
作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 村田陽一
解説 岡本真夜さんのミニアルバム『W o n de rf ul C o l o r s』の第5曲目に収録。
夜の世界の危険なムードが溢れているようで、真夜ソングにあっては何とも異色な存在である。同アルバムでは唯一村田陽一氏の編曲を担当(他の曲は全て建部聡志氏が担当)しているのだが、村田氏がこういう曲の専門なのだろうか?と思ってしまうくらい真夜ソングらしくない真夜ソングである。
とにかく、「酔ったフリする私は きっと抱かれたい 抱きよせてくれるのなら どこへでも行くのに」や「あと2mm 近づいたら どうにかなりそうな予感 あなたも気づいてるなら その手を あと少し 私に近づけて」といった歌詞を真夜さんが歌っているかと思うと面食らう。
摩季さんや、椎名さんならしっくり来るのだが(笑)。
背景を見ると、「今夜のdance music」や「Jazz-yなピアノ」と言った歌詞からクラブ(要するにディスコ)にいると考えるのがオーソドックスだが、「今宵 dancing of moon-light 二人照らす star-light 今宵 dancing of moon-light 離れられないくらい・・・」等の歌詞から、月明かりや星明りが指し込む環境とも取れ、必ずしも屋内とも限らない気もするし、かと言って一過性の「恋のgame」が容易く生まれる環境をも兼ねている事からもなんともつかみ所のない空間にあることを示す描写にも唸らせられる。
誤解ないように論じておきたいが、ダンエモンは「こんなの真夜ソングじゃない!」と言いたいわけではない。むしろ真夜ソングの中に新たな幅ができたのは喜ばしい事と思っている。
単に普段の真夜ソングと比しての異色性だけを見ているわけではなく、「密かな恋のgame」が始まる場に身と心を委ねつつも、「いつ 恋に落ちても・・・」や「今 恋に落ちても・・・」の歌詞に、始まったならどこまでも真剣に貫かんとの意志が見え隠れしている真夜さんらしさも見逃してはいないつもりである。
もっともこの「dancing of moon-light」に真夜さんらしくないものを感じ、それに捕われている面が多いのは現時点では否定できない。同タイプの真夜ソングが幾つか増えてきて、吟味が進んだ際にダンエモンがどのような感想をこの曲並びに真夜ソングに抱くようになるか?それはそれで興味深い。
ともあれ今は男女が出会う場に突撃するが如く刹那的な恋に身を投じようとしているように見えて、その実真剣である主人公の想いを堪能したいのが正直な感想である。
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