Dear…

         作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 Tetsuji Nishigaki&岡本真夜
解説 岡本真夜セカンドマキシシングル曲にして彼女にとって結婚・出産後初にして6thアルバム『Dear…』のトップに収録。真夜ソングには珍しく男の立場で歌われている。これも結婚・出産後の特徴とすれば、出産したのが男児ゆえか?
 一言で言うなら「君を守りたい」という曲である。「星の夜」には守り守られたい気持ちを歌った歌詞があるが、この曲は一方的に「守ってあげたい」という歌詞で、見返りを求める姿は一切無い。強いて言えば「君のその微笑みが 消えないように」が最大の見返りだろうか?ウーム、見返りと言う言葉が不穏当だな…。
 この曲の魅力として言及したいのが、守ってあげたい「君」のためにに主人公が為し得る事が決してたいしたことではない、と言うことである。誤解ない様に論述しておくが、何もこれは主人公を無能呼ばわりしているのではない。主人公が「特別なことしてあげられないけど」と断った上で、「悲しい時こそ そばにいてあげたい」「甘える場所が ここにあるから」や「いつでも僕はここにいるよ」といった歌詞に見られるように徹底して「側にいる」ということにこだわっている、という事である。
 確かにこれはある意味できそうで出来ないことかもしれない。しかし能力や金・コネ・学歴・家柄に無関係に心掛け一つでかなり実現に近づくものでもある。そして側にいることを「どうしても ひとりがつらい時」「悲しい時こそ」と精神的な支えがもっとも求められる時に触れていることが見逃せない。考えてみれば愛しい人が側にいて欲しくなる時であり、逆に言えば主人公が「君」にとって最も大切な人でありたい、との願望を伝えているものとも取れるところが秀逸である。
 そう考えればこれは真夜さん自身が愛しい人(つまり現在では旦那)にそうあって欲しいという願いを託したものなのかもしれない。詳細は語れないが、ダンエモンは「Dear」という英単語に個人的に嫌な思い出を抱えている。だがしょうもないことであるゆえにこの「Dear…」との出会いをきっかけに「親愛」の意味を重んじられる男となりたい、否、なろう。


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