作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 Yohey
解説 摩季ネェの15thアルバム『PHOENIX』の6番目に収録されている。
どこから単調な歌詞と曲だが、このアルバムがリリースされた頃に世界的パンデミックを起こした新型コロナウィルスの流行で沈んだ世に対する反発と、それに負けまいとする欲望の強さと、それに対する意欲を刹那的に歌っている。
副題に「恋のソーシャルディスタンス」とあるように、コロナ感染を防ぐ為に人と人との接触が憚られ、大勢が集まることが避けられ、令和二(2020)年の日本からあちこちで活気が奪われた。
東京オリンピックが翌年に延期され、夏の高校野球が中止され、芸能の世界でもライブや観劇が中止され、多くの芸能人が大幅な減収を余儀なくされ、駆け出しの方々の中には廃業を余儀なくされた方も多いと思われる。ダンエモン自身、毎年のように行っていた上京が出来ず、顔を合わさるのに時間のかかった仲間も多かった。
歌詞中に「意地悪なCovid era集まれないのなら 触れたら負けのLove game極プラトニックしましょう」にとあるのがコロナ蔓延に対する唯一の記述だが、実際、パンデミックの前に疎外された出会い、為されなかった恋も多いだろう(逆に強まった結び付きもあると思われるが)。
人と人との接触が避けられたのだから、「Deep」よりも「ディスタンス」が重視されるのも無理はない。だが、逆を云えば真に「Deeper Love」を求めるからこその厳選とも云える。それ故に「触れたら負けのLove game極プラトニックしましょう」という、一見矛盾した意見が出て来るのだろう。
勿論功は云っていても、主人公の欲望の強さは明らかである。直後に「見つめられたい 故に磨かれる怠惰なBody 求められたい 故に削がれてく無駄なセオリー もう一度会いたい 故に密に繰り上げるCase study 待ってチョット待って 待ちに待ったKissは超絶濃厚」にも明らかだろう。
本気になるに値しない相手なら刹那的で良いし、「Deeper」となる必要のもないどころか、下手すりゃ害である。だが、そんな厳選を乗り越えて真に添い遂げる相手を求める故にその刹那にもかなりの本気を注いでおり、それを著した歌詞が「〜 I was already in love 〜 You’re Making, MakingloveDeeper,Deeper 今だけは 〜 There is no lie 〜 I’m Making,Making love Deeper,Deeper 夏だけは 〜 I was already in love 〜 You’re Making, MakingloveDeeper,Deeper 私だけの 〜 More Llove 〜 I’m Making,Making love Deeper,Deeper ものになれ」で、「〜 It’s the start of love 〜 Strike a “like”!,ah “like”!Get deeper,deeper.もっと深く 〜 Yes,No one 〜 Strike a “like”!,ah “like”!Get deeper,deeper.もっと強く 〜 It’s the start of love 〜 Strike a “like”!,ah “like”!Get deeper,deeper.欲しがって 〜 Let’s Love 〜 Strike a “like”!,ah “like”!Get deeper,deeper.恋になれ」なのだろう。
自慢じゃないが、ダンエモンは執着の強い人間だから、恋には常に「Deep」を求める。それが比較級「Deeper」となるか、最上級「Deepest」まで辿り着くか?
永続を望むからこそ、刹那に燃えるのは一見矛盾しているように見えるかも知れないが、願わくば最高の刹那を積み重ねたいものである。
う〜ん……こんな文章を綴っていたら、昔日の、「Kissは超絶濃厚」を思い出してしまった。何せディープ・キスの好きな元カノだったから(苦笑)。
摩季の間へ戻る 令和六(2024)年一〇月二二日 最終更新