Duty Free
解説 椎名さんのサードアルバム『W CONCERTO』の10曲目に収録。「Duty Free」は訳すれば「免税店」なので、初めて道場主がタイトルを聞いたとき、「海外が舞台か?」と思ったがあまり関係なかった(苦笑)。
歌詞中の「Duty Free」は「久しぶり これが逢う時の 恋人なら哀しすぎる 仕事で出張けたロスの話さえ 聞けないまま Pillow Talk まるで Duty Free」や「あなたのペースでついてきたけれど これが最後 一人ドアへ 愛に Duty Free」や「追いかけてこない あなたの靴音 これが最後 これでいいの 愛に Duty Free」という会話から税からフリーになる免税店の如く、空しい恋からの脱却が皮肉られている。
ちなみに「Pillow Talk」とは日本語で「睦言(早い話Hの最中の会話)」の事である。そこから義務感だけで付き合ってきた恋人同士の姿が窺え、「期待するほうが そうよ悪いの 無理したソニアもムダなの 可笑しい」といった歌詞がも空しい努力を秀逸に表しているだけに辛さがつのる。
義務的に付き合う「あなた」の姿は飄々として捉え所がない。
「空港で買った香水」について「何本買ったの」と問い詰めているところから「あなた」は浮気しているようだが、「あなた嘘さえつかない冷たい人なの」の歌詞から
は「あなた」は弁明も罪悪感もなさ気な虚無感が漂ってくる。勿論その虚無感が主人公を余計に苦しめるのである。
自身嫉妬深い人間であるダンエモンは浮気やそれに苦しむ話は嫌いなのだが、かといって浮気に対して何事もないのも愛情に重みがなくて妙な空しさを覚える。本当にその辺りの男と女の機微は分からないのだが、独り者だから分からないのか?分からないからいつまでたっても独り者なのか?そんな「鶏が先か?卵が先か?」的な空しさも「Duty Free」で免ぜられる税の如く除いては貰えないものだろうか?(苦笑)
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