作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 西垣哲二
解説 岡本真夜さんの6thミニアルバム『笑顔のおまじない』のトップである1曲目に収録。何とも家庭的な曲である。
傾聴するまでもなく、この曲で繰り返される「君」が我が子であることは誰の耳目にも明らかであろう。それも幼稚園児か小学校低学年ぐらいの。
何せ「膨れてた顔も ほら3時になると」や「君の好きなおやつ」や「小さな手のひら」といった歌詞からおやつ一つに一憂が一喜する年頃なのが歌詞の随所に見て取れる。
五十路を迎えて妻帯すらしていないダンエモンには幼児を育てる母の心境は何ともイメージし難いが、冒頭にもある「10年先の笑顔を守りたい」や、「いつか君がふと振り返ったとき 楽しい思い出がいっぱいがいい 大人になって 心を灯せる 君を支えられる思い出を作ろう」といった、成長を見守るような歌詞が何とも微笑ましい。
我が子をいつくしむ真夜ソングと云えば、「かけがえのない人よ」が筆頭だが、「かけがえのない人よ」が真夜さんの長男が幼児の頃にリリースされたことを思えば、もう息子が大学生になった時分にこの「笑顔のまじない」をリリースしたのには如何なる心境が真夜さんの中に存するのだろうか?
幼児の「10年先」と云えば中高生ぐらいで、余程のマザコンでない限り母親にべたべたする年でもないが、一方で、この曲が出た時の真夜さんの息子さんはそれよりも上の年齢である。
実際に真夜さんが子育てを(ある程度)終えていると思うと、新たに生んだ我が子をいつくしむこの曲にどんな想いを抱き、実際に経験した子育てに対してどんな思いを馳せているのか知りたい気もする。
人間は成長する過程で早い遅いの差はあれどいずれ親離れする。それが極端に遅い人間もいるにはいるが、嫌な書き方をすればいつかは死に別れる訳だから、嫌でも離れるときは来る。
それゆえ「一緒に幸せのカケラ 集めていこう」、「一緒に幸せのカケラ 紡いでいこう」という時間の共有も様々な距離が出て来る。勿論親子関係は永続するし、情愛が失われなければ例え一緒に過ごさなくとも心の上で「一緒に」は不可能ではない。
後から振り返って「思い出がいっぱい」とか、「宝箱がHappyで溢れる」と思える関係は親子関係に限らず大切にしたいものである。
個人的なフィーリングとして、そんな関係を可能にする想いを表したのが、「大人になって 心を灯せる」の歌詞とダンエモンは見ているが、閲覧者の方々の感想は如何だろうか?
真夜の間へ戻る 令和六(2024)年五月七日 最終更新