永遠の光り

       

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし


解説 大好きである!
 晴々した気分と勇気を同時に与えてくれるこの歌は20枚目のシングル「夢なら醒めてよ」のカップリング曲であり、北海道では限定版としてオリジナルシングルCDも出たらしい。
 歌詞を見ると主人公は恋人と別れてしばらく経った状況にいるようである。そしてそこに別れを惜しみつつも、恋人と出逢えた事を人生の大いなる財産として前向きに生きていく決意を固めた主人公がいる。嗚呼、初恋を思い出す(苦笑)。

 前向きに生きることの大切さは誰もが理解しつつもなかなか実践出来ないでいることでもある。
 失恋にしても然り、第一簡単に失恋の痛手が癒える様では相手を本気で愛していたとは云い難いのではあるまいか?
 心の痛みを時の流れで癒すことが大半で、痛みが癒えてもいないのに前向きになったフリをして自己を欺いている人も少なくはあるまい。勿論初めはフリでも後々に本気になれるなら問題はないが。
 そんな中にあってこの歌の前向きになろうと云う気持ちはひしひしと伝わってくる。
 サビの、「あなたに出会えた鮮やかな一瞬は 諦めかけた心照らしてくれる 永遠の光り」「わたしを見つけた朝焼けの燃え色は 深い孤独を勇気に変えてくれた 運命のプリズム」「あなた」との出会いが「別れ」という結果になっても人生の岐点として生涯のものとして確固たるものにしていることが歌われていて心痺れる。
 また1番の「あなたに出会えた鮮やかな一瞬は 諦めかけた心照らしてくれる 永遠の光り」がラストでは「あなたに出会えた鮮やかな一瞬は 諦めかけた心照らしてくれ 永遠の光り」と過去形を用いることで強調される手法も心に染みる。
 「うそつき」でも使われた手法だが、今後もドンドン見てみたいものである。

 印象の強い歌詞ではないが、ダンエモンが注目したい、というか身につまされる歌詞に「変わりたい でも変わらない すべてを責めてしまうけど きっとどこかに守っておきたい 何かがあったと思う」がある。
 ダンエモンは呆れるほど欠点の抱えた人間で、これまでの人生においても「自分を変えなくては」と考えたことは数え切れないほどあり、しかし変わらずにいて何度も痛い目に遭ってきたし、周囲にも迷惑をかけてきた。そしてそれは今尚続いている。
 それゆえにこの歌詞には自分でも気付いていなかった心の中を見透かされた気分になった。この世に同じ人間が二人といないのはダンエモンの持論でもあり、十人十色だからこそ個々の道を歩んで生きて行く意義があるとも考えている。
 確かにダンエモンに限らず、周囲に迷惑をかける言動は慎まねばならない。それでも変われないときがあるのは「きっとどこかに守っておきたい 何かが」あるのだろう。自分らしく生きることと、社会に周囲と共存して生きていくことの重さをこの歌は教えてくれた。

 この歌詞に続く「本当は自分の為に頑張っていたはずなのに いつのまにか見返りを期待して 行くべき道 見失ったり」という歌詞も先の歌詞と続いて人間の本来の意図通りの努力する事の難しさを教えてくれる。努力したつもりになるのは努力を誤る一番の原因ともいえる。折りに触れてこの歌詞を思い出し、本当に正しい、本音に添った努力をしているかを自問自答したいものである。
 まさにこの曲と「出会えた鮮やかな一瞬は 諦めかけた心照らしてくれた 永遠の光り」である。この歌を通して訴える摩季ネェの気持ちはそっくりそのまま摩季ネェに送りたいとも思う。

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令和五(2023)年八月三日 最終更新