作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし
解説 9枚目のシングル曲である。また同名のアルバム『永遠の夢に向かって』ではトップバッターを務めている。『BACK BEATs#1』でも8番目に収録されている。勿論摩季ソングを代表する一曲で、ライブの度に歌われている。
アルバムに添付された冊子によるとこの「永遠の夢に向かって」は「彼女がデビュー当初から温めていたテーマである。物質的に満たされた現代において、たとえ毎日を幸せに送れていたとしても、友人や周りの人との人間関係がうまくいっても、自分を取り巻く環境に満足していたとしても、自分自身の中にある「永遠の夢」を追いかけてみよう―という、このテーマは、プロを目指し札幌から上京し、今日に至るまでずっと持ち続けてきた、彼女自身のテーマでもある…」とある。
その心が最も表れているのが、「うわべの安全な幸せ かなぐり捨ててしまえ 死んでもいいと思えるような 何かに向かってツッ走りたい」の部分だろう。
人間満たされていることは「当然のこと」と考え、なくしてその貴重さに気付く傾向が強い。身の回りにある当たり前の様で貴重なものを常に見直し、自己を振り返り、人間としての成長を期すのは誰もが知っていてなかなか実行できないことである。ぬるま湯の如き日常に甘ったれない為に何かを目指さなくてはならない。何を目指すのか?それが「永遠の夢」なのである。うーんいい歌だ…(陶酔)。
歌詞全体の流れとして注目したいのが要所要所に出てくる「何かが違う…」という歌詞である。
人間誰しも夢を持って成長するが、その成長に従って現実とのギャップに気付かされる………。大抵は自己の能力やシチュエーションと現実とを相談して夢の到達に至る前にどこかで妥協する。特に大きな危機に見舞われてないとそこで腰を落ち着ける人は多い。
病気で云うと小康状態に敢えて苦い薬湯を飲みたくない心境に似ている。勿論それが悪い訳ではない。しかし、「それでいい」と思った状態でそれ以上の成長はなかなか生まれないものである。
結論、夢を持ち、それに邁進する為に常に自己と向かい合い戦う心が大切なことを教えてくれる、摩季ソングの原点に近い曲である。
令和四(2022)年六月三日 最終更新