復讐GAME

復讐GAME

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし


解説 摩季ネェのファースト・シングル「STOP MOTION」のC/W曲であり、葉山たけし氏の手によって編曲された最初の曲でもある(少なくとも世に出た順では)。
 タイトルに「復讐」と銘打たれている様に、自分を捨てた男に対して、捨てられたときよりいい女になって見返すことにより溜飲を下げんとするものである。

 この曲が収録されている、シングルの「STOP MOTION」、同名のアルバム『STOP MOTION』ともにボクサーの格好をしてリングにある摩季さんで飾られているが、「SEXY NIGHTで仕返しよ I Wanna Knock Out!!」という歌詞や闘争心溢れる歌詞からもこの「復讐GAME」にこそ相応しいと考えるのはダンエモンだけではあるまい。

 さて、注目したいのは復讐の心を秘める主人公がまだそれを果たせないまま、元彼との再会に及んでいることである。何かのパーティー会場が舞台らしいので、「再会は偶然」とあるように意図していなかった、まだ目的に達していない状況でに再会に復讐心を滾らせつつ、それを「GAME」と定義していることがとても興味深い。
 勿論復讐を志す主人公は元彼に対して弱気な態度には出れない。復讐したいからにはある種の未練があり、その揺れ動く気持ちが、「GAME」とされているのが主人公のいまだ達せられざる本懐へのせめてもの抵抗ともとれる。

 元来「復讐」という言葉が持つ響きは陰湿なものがある。その原因にも、感情にも。
 だが、「復讐」の類義語の「仕返し」が持つ幅は比較的広い。仕返し→相手を見返す→その前に自分が成長する、という図式があり、必ずしも報復的な物だけを意味するのではなく、この歌に限らず、失恋に際して、きれいになって振った相手を後悔させる、この歌で云うと「あなたが後悔するような イイ女になりたい」的な考えはよく持ち上げられる。
 ダンエモンも自分を振った女性を責める気持ちは更々ないが、いつの日か、「あのとき選んでおけばよかった…。」と思って頂く予定である(苦笑)。

 この歌には「CRAZY」に走っているところもあり、様々な感情に主人公は揺れ動いているが、是非その悪しき要因・感情を「Knock Out」して、「復讐」を昇華し、「GAME」を現実の幸せへと繋げて欲しいものである。


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令和四(2022)年六月一日現在 最終更新