ふたりが好きだから

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし


解説 シングルCDのナンバー9「永遠の夢に向かって」のC/W曲であり、友情と愛情の狭間に苦悩する内容の歌で、似た曲として「GLORIA」を即座に連想するファンも多いことかと思う。
 本当にこの歌の歌詞には「GLORIA」との共通点が多い(リリースの順番としては「GLORIA」の方が先)。想い人とその彼女が共に大切な友人であり、辛い恋であることを認識しつつも友情を保ちたがっている様等がそうだが、勿論相違点もあり、それが似た曲でありながら互いの曲に相譲らぬ存在感を放っている。

 その相違点だが、一つは主人公の想いに女友達及びその彼氏共に気付いていないことにある。否、気付いていないというよりは主人公がひた隠しにして二人の恋に横槍を入れまいとしている、といった方が正しいだろうか?「愛してる… そんな目で見つめ合わないで 無理してはしゃぐほど ピエロのようで虚しい」という歌詞からも明らかである。
 もう一つは、対人関係の優先順位がある。「GLORIA」では想い人よりも女友達の方を大切としている(真意はともかく歌詞上では女友達の方を尊重している)。が、この「ふたりが好きだから」では双方同格であることがタイトルからも明らかである。
 「GLORIA」にも云えることだが、友情も愛情も共に人間の持つ大切な感情でありながらそれが対立する、云い方を変えれば両立しない現実があるのは悲しいことである。幸か不幸かダンエモンには友情と愛情が対立した試しがない。勿論愛情が存在しないからである(泣笑)。対立のしようがない。
 だが、ない経験を絞って考察してみるに、二つの情が両立しない場合、どちらを選ぶかは当人達の問題で他者が口を差し挟む余地はないが、苦渋の上に成り立った選択であることを認識し、選んだ道を最後まで邁進することを祈りたくなってくるものである。
 勿論、「たかが恋ぐらいで 失いたくなかった Best Friend」とあるように、優先順位に差があるにしても最後にはその対立を昇華して双方の情を保てるのが一番であることは云うまでもない。

摩季の間へ戻る

令和四(2022)年六月三日 最終更新