二人の誤算

         作詞 椎名恵 作曲 勝又隆一 編曲 勝又隆一
解説 椎名恵さんの11thアルバム『Lovers』の7曲目に収録されていて、道場主はベストセレクションアルバムで所持している。冷めた恋を歌った椎名ソングはちょくちょく出てくるのだが、その中にあってこの「二人の誤算」は冷めている事を互いに自覚しつつ別れを切り出せないもどかしさ、という意味において異彩を放っている。
 それを端的に表す歌詞は「底がついてる二人の愛も もう、やり直せない なのにサヨナラを お互いに言い出せないのよ」だろう。そしてその根源となっているのは二人が惹かれ合った当時のトキメキの大きさだろう。「出会った頃はまだ夢もあったのよ つまづく事なんて何もないと」「いたわり合った頃あんなに笑った かすかな想い出が引き止めてる」といったを見るとこんな時が来る事なんてカケラも想像していなかったのだろう。
 そう考えると冒頭の歌詞に「今日もアイツはここに来るはず そう、責任だから 深いため息隠しているのは もう、私も同じ」とあるようにトキメキが義務感に変わっているのは好ましからざる束縛と言える。かなりうがったものの見方をすると完全に冷え切りつつも我が子が片親になる事を案じて一緒に居続ける夫婦にも当てはまるのではあるまいか?
 ただ大きなお世話ながら二人に言いたいのは人生には「誤算」は付き物、そしてその「誤算」の為に「倒れるくらいに踊り明かしたい 愛情なんて要求はしないから 全てを壊せるなら 誰でもいいわ」という風な自暴自棄に陥って欲しくない、という事である。道場主の人生なんて誤算だらけ…痛てッ!!(←勿論道場主のツッコミが入った)。


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