がんばれ！

解説　椎名恵さんの16ｔｈシングル曲で、殆ど同名の13ｔｈアルバム『GAMBARE』のトップに収録されている。タイトルに偽りなくエールを送る曲なのだが、その対象は恋人に限定されない。勿論、恋人同志でのシチュエーションが一番相応しいのだが弱冠の拡大解釈も可能である。
　理想とかけ離れた変哲のない現実にこれといった不幸があるわけでもないのに疲れ切っている「あなた」にがんばるのは自分自身であることを訴えてエールを送っているのが基本内容である。
　もっともこの解説では充実した把握の為にも恋人同志に限定したい。その視点で語るなら二人は別れた直後なのだろう。そして恋をなくした「あなた」が(恐らくは)仕事に熱心に挑もうにも理想と現実のギャップに苦しんでいる。そんな「あなた」に主人公はタイトル通り「がんばれ」と呼び掛けている。
　注目すべきはがんばるための要素が極々基本的な理念にあることと、いつでも何度でもリトライ可能である事を訴えている事にある。「今からがんばれ」や「正直に生きることさ」や「他人は助けてくれない」や「涙もまた乾く日が　あなたに必ず来るよ」とあるように。
　もうひとつ注目したい歌詞は「彼女は独りになって　やっと泣いた　そして悔しかった」である。「彼女」とかいているが主人公の事に間違いはあるまい。第三者的視点で書かれる歌詞は「ル・ポールはさよならの港」にも見られる(見当違いだったらどうしよう…)。そこに本当の気持ちを押さえつつ別れた相手の成功を祈る姿が痛ましくも健気である。
　歌詞の内容から見ると主人公の方がふられたみたいだが、ダンエモンならこんな恋人を捨てはしないと断言したい(持った事がないので完全な断言ができないのが悲しいが)。


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