元気でいますか

解説　うーんいきなり暗くなってしまった……。真夜ソングには暗い歌も多いのだが、「TOMORROW」から「ANNIVERSARRY」まで比較的ほのぼのした歌を解説してきたから…(苦笑)。
　コホン、えーこの「元気でいますか」はアルバム『Pureness』のトップに収録されている。真夜ソングの中では存在感は薄く、他のシングル・アルバムの収録は見られず、ライブでも「1996Purenessツアー」以外で歌われた様子は見られない。
タイトルと同じ歌詞から始まるこの曲は別れたかつての恋人に懐古と惜別の思いを馳せている。確かに何年も会わない懐かしい人を思い浮かべる時にまず頭に浮かべる言葉は「「元気でいますか」？」である。だが、極在り来たりの言葉で始まった歌詞が追いつづける未練の姿は少々聴いていてこっちが苦しくなるぐらいである。
「思い出の曲　耳にするたび　涙があふれてきます」や「似ている人を　見つけるたびに　胸が苦しくなります」という歌詞にはダンエモン自信身に覚えがあるだけにその切なさはひしひし伝わってくる。更にそれに付随する諦め切れぬ想いを綴った歌詞、「結ばれない恋ですか」、「もっといい人　この世の中に　たくさんいるはずなのに」、「いつか逢える？　いつかとどく？　ねぇ　教えて」には理屈だけでは割り切れない、人間の感情というものが伝わってくる。
過去の恋にいつまでもこだわるのは確かに望ましいことではないだろう。そのことは歌詞に出てくる主人公も理屈では充分に理解している。だがいつまでも大切にしたい思い出とそれに伴う捨て切れない想いは感情の中では矛盾なく共存する。歌とは理屈で語り尽くせない人間を言葉で表現し得る数少ない手段の一つではないか？と言うことをこの曲は教えてくれる。
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