Good-luck!!

         作詞 森田由美 作曲 新田一郎 編曲 新田一郎
解説 椎名恵さんが「竹中ゆかり」の名で参加しているアルバム『エリア88』のトリである10曲目に収録。一言で言えば別れの曲であるが、そこには再出発の要素も強い。
 タイトルにもある「Good−luck!!は何かに向かって出発しようとする仲間や盟友に向かってその場に残る方からかける台詞である事が多いが、歌詞中には「Good−luck!!の台詞はなく、ラップであたかも管制官がパイロットに語りかけるかのような英語の果てに「Good−luck!!partner」と締め、その直後に飛行機の爆音が轟く事から舞台が空港である事が分かる。
 注目すべきは「朝焼け」「別れ」の果ての旅路に就く主人公が空港にて自分一人の孤独の中にあることである。「振り向けば誰もいない」「朝がつれてくるのはただ 空の青さだけ」「未来を手に入れるまで 今日も一人……」と言った歌詞にそれは現れている。
 そこを行くと自然と目が引かれるのが「一人一人昨日まで 信じられるものがあった どこで見失ってきたか」の歌詞で、背景が気になるところである。この曲の歌詞は主人公が如何なる存在と別れ、その対象とどういう関係であったかが明らかではない。「一人一人」の歌詞からは主人公はある集団と意見の相違から抜ける事になって、新たな道を求めて旅立つ、と言う背景がダンエモンには想像されるが、この解説を読む他の人々はどう受けとめるだろうか?
 さて、そうなると「Good−luck!!と声をかける対象は何者だろうか?主人公が自分自身に声をかけていると考えるのが一番簡単だが、ダンエモンは同時に袂を分かった過去の仲間達に、道は違っても各々が信じた道に向かって邁進する事を祈って「Good−luck!!と叫んでいるとも考えたい。
 人の世に別れは付き物である。やむを得ぬ別れにあっても相手の選んだ道を尊重してやれることの大切さを重視したいものである。憎み罵り合って相手の一切を認めようとしない別れと自然消滅的な別れがダンエモンにとって最も辛いと言えるから。


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