ハピ ハピ バースディ

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 岡本真夜&西垣哲二


解説 岡本真夜さんにとって結婚・出産後初リリースにして初のマキシシングルに収録。アルバムでも同様に結婚・出産後初にして6thアルバム『Dear…』の5曲目に収録、更にはデビュー20周年記念アルバム『Mayo Okamoto 20th anniversary ALL TIME BEST〜みんなの頑張るを応援する』の7曲目に収録されている。

 様々な意味で「やっと現れたか!」という印象が強かった。というのもダンエモンはこのマキシシングルリリースの2年以上も前に「1999魔法のリングにKissをしてツアー」でこの曲を耳にしていたので。
 歌詞の内容は題名から明白な様に愛しい人の誕生日を祝うものである。古今東西誕生日を祝う曲は愛しい人へのものに限っても数限りなくあり、祝福でなくても誕生日を扱ったものも枚挙に暇がない。そしてそんな中にあってもこの曲は誕生日にこだわった典型である。

 注目したい歌詞は「あなたと出会えたことに 感謝したい 誰よりたいせつな 大好きなあなたへ」である。十年ほど前に電話会社か何かのCMで「今日君が生まれた日に感謝」というセリフがあったが、それを彷彿とさせられた。
 誰かの存在を感謝すると言うことはその人は勿論、その人の誕生の基となった、両親・成長過程で関わってきた人々更には神仏への感謝の念にも繋がり得るものであり、そのスケールの大きさは傍目にも気分のいいものがある。

 他に注目したい歌詞に「あなたにいちばん 似合うもの 何日もかけて 選んだつもり 私のセンス よくないけれど 許してくれる?」がある。
 単純な歌詞だが、真夜さんファンなら「世界で一つの手袋」を連想する人も多いだろう。
 また「直接 プレゼント 渡すのは 何だか私 恥ずかしいから 郵便屋さんに 頼んだけれど ちゃんと 着いたかナ」の歌詞に見られる様に結婚後の真夜ソング(この曲を作られたのは結婚前だが)には愛しい人との直接の接触を恥ずかしがる、少女的な描写も出てくる。

 ただこの歌に関しては少し不透明なところがある。主人公と「あなた」の関係である。
 「揺れるキャンドルを囲んで 眺める人が いてもいなくても プレゼントさせて 私 心から あなたに 言いたい」の歌詞を見れば「あなた」がフリーにも見えるし、仕事が忙しくて誕生バーティーをする暇がない、とも取れる。
 「プレゼントさせて」の歌詞を見れば二人が恋人同士、との視点も揺らいでくるし、単に愛する人の為に何かをしたい、との表れかもしれない。
 もっとも、背景が不透明だろうと、主人公の「あなた」に纏わる万物に対する感謝と「あなた」の為に万事を行わんとの愛情の深さは些かもう揺らぐものではないことを言及して締めとしたい。
 

真夜の間へ戻る

平成二七(2015)年八月八日 最終更新