Happy Life 〜明日に向かって〜

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 岡本真夜&西垣哲二

解説 岡本真夜さんの11thアルバム『Tomorrow』の9曲目に収録。事実上のトリで、島崎和歌子さんに楽曲提供された曲でもある。
 軽快なテンポで歌われる曲であるが、「独り身」を口惜しがりつつも強気を張り、自らを奮起させようとしている。似た心境背景の曲として「三十路街道 まっしぐら〜社内恋愛編〜」があると言えようか?(ターゲットがいる分「三十路街道 まっしぐら〜社内恋愛編〜」の方がマシと言えそうだが…)。

 とはいえ、決して後ろ向き名曲ではない。同アルバム収録曲の中では「TOMORROW 〜明日の君へ〜」「Message 〜明日の僕へ〜」と並んでタイトルと歌詞に「明日」を含んでいるように、未来を見据え、前向きさを失っていない。

 主人公は「Ah理想的にはいかないのよ あれこれ悩んで 日々模索中」「Ahはまってるものは 恋愛ドラマ 妄想全開 現実逃避」と嘆き、周囲には意地を張りつつも、自らに対しては「冷静な顔して“恋より仕事” 大丈夫なフリして あぁ自己嫌悪」「ほんとはね 寂しがりや でも 強がってばかり いつもいつも」の歌詞に見られるようにかなり正直である。その最たるものがラストの「Ah即希望!」の歌詞で、本音では一日も早く「Happy Life&恋」を掴みたがっていることが現れている。
 えっ?どうしてそう断言出来るかって?うちの道場主の心境そのまんまだから…うぐわああああぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁ…(←道場主のキャメル・クラッチを喰らっている)。

 お〜イテテテテ…、気を取り直して、説いておきたいのは主人公が決して弱い人間ではないという事である。世の中に意地はって生きる人間は少なくないが、同時に意地を張っていることを認め、本音を自覚出来る人間は意外に少なく、認めるにはある種の強さも必要となる。「泣きたくなっても つらいことあっても アハハと笑って 明日に向かって楽しいことが きっと待ってるはず」「出会いなくても さびしくなっても アハハと笑える 友達がいる 楽しいことが きっと待ってるはず」という歌詞は聞き様によってはどこか受け身や他力本願に聞こえなくもないが、聞き様によっては今ある幸せと「明日」という未来を信じる強さにも聞こえる。

 世の中目に見えないもの、形の無いもの、まだ来ぬ先のものを信じるのはなかなかに困難である。だがそこに苦しむのは人間が何かを信じたい生き物だからであり、何度か言ってきたことだが、疑うことは信じることより楽で簡単だが、信じることは力を生むということを改めて断言したい。疑うことからは安全は生まれても活力は生まれないのである。
 馬鹿正直に生きられない世の中、他人には意地を張っても、せめて自分に対しては正直であることの大切さをこの曲は再認識させてくれたと言えよう。


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平成二四(2012)年一一月二〇日 最終更新