Harlem Night(セルフカバー)

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 Beingスタッフ

解説 大黒摩季さんの初のセルフカバー・アルバム『LUXURY 22-24pm』の1曲目に収録。歌詞内容はオリジナルと全く変わらないが、サビの部分でタイトルと同じ「Harlem Night」の歌詞に独特のテンポと共に独特のエコーがかかっている。


 この曲との出会いはファンになってしばらく経ってからで10年以上経てセルフカバーのとして再会した気分だが、原曲に比して敢えて気だるそうに歌われている様に、摩季さんが数々の曲でも似たような歌詞で唄っている、つまり摩季さんが世に訴えたい事である、「生まれたには時はみんな裸」、「脱げないシャツは着ない」「裸になればイイ」「イイ奴のシャツ脱いで」「君の中のHarle」といった歌詞で比喩されることを、皆、理屈では理解していてもなかなか思うようにそうは出来ない現実が込められているようでもあった。


 かくいうダンエモン自身、猫を被らず生きているとは到底言い切れない。「人は人、我は我」で生きていることを自他ともに認めているが、それでも社会人として生きる中で、どこかで妥協し、どこかで媚び、どこかで相手の顔色を伺い、どこかで怖がり、どこかで平気な振り気にしていない振りしている自分がいる。
 勿論それが本意ではないことを自分自身が一番よく知っているから、開き直ったり、世間体を気にしなくなったり、自我が暴走した瞬間に、我を通し、尊大に振る舞い、場の空気を読もうともせず、威圧的に出て、相手の「てをには」一つに食ってかかる自分もまた存在する。
 それを振り返ると、初めて原曲を聴いた時には自分が自分で居られない世の中でも心に自分を持つ事を重んじようと考えたが、今回このセルフカバーを聴いて想うのは、自分が自分であることを重んじるゆえに、世間の中の自分と自分の中の自分にけじめを持とう、ということである。


 摩季さんの口から聞く日があるかどうかは分からないが、なにゆえにこの曲がアルバム『LUXURY 22-24pm』のトップに収録されたのか知りたいものである。


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平成二一(2009)年四月一一日 最終更新