春が来た

         作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 十川知司
解説 厳密に言えばこれは岡本真夜の歌ではない。正確に言えば成田有里江さんとのコンビ、「Love Cupids」、通称ラブキューによって歌われている。それゆえか真夜アルバムには収録されておらず、現在(2004年3月4日)のところソロバージョンも発表されていない。但しライブでは『1997Smileツアー』で歌われているのが市販ビデオで確認できる。
 二人のデュエットで歌われる歌詞の流れはいわゆる恋を巡る女の親友同士の会話で、真夜さんが好きな人が出来た事をタイトルの様に「春がきた」と言い表し、それを成田さんが相談に乗りつつ、時にコミカルに、時に雑談っぽく、時に現実的に、時にノリと気合いで応対する内容になっている。
 さて、幼少の頃より青年期前半に至るまで両極端な考え方しかできなかった男・ダンエモンには男女の中において「友達」という関係が未だに理解できずにいる。したがって女同士の友情となると更に道の世界となる。この歌の歌詞でラブキュー同士の会話を聞いていて、どうしてもノリやコミカルな面が先に印象として浮かんでしまう。歌詞で言えば「私のこと相手にしてくれるかな あたって くだけろです(くだけるの やなんだけど…)」「ここのメロディはちょっとむずかしい だけど 愛嬌で」である。
 まあ曲調もそうだが、恋のときめきをタイトルの様にたとえていることからも軽いステップがこの歌の一つの色だからそういう表現が目立つも当然といえば当然だがもうワンパンチ欲しい何かを感じているのは確かである。
 決してそんな意図はないが少々非難っぽくなったので魅力の視点で解説を続けたい。それは何より先の見えないものにも、可能性よりもどうしたいのかを、その為にどう有るべきかを重視している姿である。歌詞で表すなら「今度こそ とられないようにしなきゃね」「絶対! 絶対! あの人とつきあっちゃうんだから!」が挙げられる。
 何にしてもラブキューをこの一曲でしか楽しめないのは残念である。もっともっと女同士の世界を披露して欲しいものである、と感じさせる一曲だった。
 

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