春が来た

        

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 十川知司


解説 厳密に言えばこれは岡本真夜さんの歌ではない。正確に云えば成田有里江さんとのコンビ、「Love Cupids」、通称ラブキューによって歌われている。それゆえか真夜アルバムには収録されておらず、今のところソロバージョンも発表されていない(令和六(2024)年五月一一日現在)。但しライブでは1997Smileツアーで歌われているのが市販ビデオで確認できる。

 二人のデュエットで歌われる歌詞の流れは、所謂、恋を巡る女の親友同士の会話で、真夜さんが好きな人が出来た事をタイトルの様に「春がきた」と云い表し、それを成田さんが相談に乗りつつ、時にコミカルに、時に雑談っぽく、時に現実的に、時にノリと気合いで応対する内容になっている。
 さて、幼少の頃より青年期前半に至るまで両極端な考え方しか出来なかった男・ダンエモンには男女の仲において「友達」という関係がなかなか理解出来ずにいる。従って女同士の友情となると更に未知の世界となる。
 この歌の歌詞でラブキュー同士の会話を聞いていて、どうしてもノリやコミカルな面が先に印象として浮かんでしまう。歌詞で云えば「私のこと相手にしてくれるかな あたって くだけろです(くだけるの やなんだけど…)」「ここのメロディはちょっとむずかしい だけど 愛嬌で」等である。

 まあ曲調もそうだが、恋のときめきをタイトルの様にたとえていることからも軽いステップがこの歌の一つの色だからそういう表現が目立つも当然といえば当然だがもうワンパンチ欲しい何かを感じているのは確かである。
 決してそんな意図はないが少々非難っぽくなったので魅力の視点で解説を続けたい。それは何より先の見えないものにも、可能性よりもどうしたいのかを、その為にどう有るべきかを重視している姿である。歌詞で表すなら「今度こそ とられないようにしなきゃね」「絶対! 絶対! あの人とつきあっちゃうんだから!」が挙げられる。
 何にしてもラブキューをこの一曲でしか楽しめないのは残念である。もっともっと女同士の世界を披露して欲しいものである、と感じさせる一曲だった。
 

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最終更新 令和六(2024)五月一一日