初恋

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 十川ともじ

解説 岡本真夜さんの5htミニアルバム『Love Stoy』の6曲目に収録。失恋を歌う曲の多い同アルバム収録曲にあって、この歌もまた失った恋に想いを馳せる曲だが、純粋性と云う意味においては断トツかも知れない。

 と云うのも、この曲のタイトルは「初恋」で、この単語自体は歌詞中には登場しない。それゆえタイトルを知らずに曲だけ聴けば「最後の恋と信じたかった」とするその恋が「初恋」とはわからず、いくつかある恋の中の最高に想い入れのある恋であったことは想像し易いが、初めてのものであることかどうかは歌詞からは想像がつかない。
 ただ、「会いたくて 会えなくて 季節は巡り」「答えは風の中」といった歌詞が「あなた」との恋からそれなりの時間が流れていることは想像がつく。

 そんな恋を失った後で主人公が別の恋をしたか否かは詳らかではない。「思い出にできない この想いを 明日もきっと 抱きしめている」「思い出にできない この想いを 抱きしめられるのは あなただけ」といったかしから、主人公の思い入れや未練は相当なものであることが伺えるので、その後全く恋をしていないか、少なくとも「あなた」ほどには想える恋をしてはいないのだろう。

 また、この曲に対してダンエモンが純粋に注目するのは、「一度だけ触れたキス」という歌詞である。
 たった一度だけのキスと聞けば、「SECRET LOVE」「sigh of Love」に出て来た男を思い出し、「喧嘩売ってんのか、貴様!」という迷台詞(?)を吐きそうになるが、「触れた」とあることから少し勝手が違うようである。
 想像でしかないが、恐らく主人公と「あなた」の恋はお互いにとって「初恋」で、お互いにとって付き合ったのも初めてで、少年少女の淡い恋ゆえ、キス一つ取っても「触れた」程度のぎこちないもので、それ以上の行為に羞恥を覚え、進展しない内に破局を迎えたのではないだろうか?
 ファースト・キスがフレンチだった道場主とは大違いの純情さ………ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ(←道場主のリヴァイアサン・メイルストロームを食らっている)。

 あ痛たたたたたたた………一応、真面目に解説しているのだが、ダンエモンは主人公の「初恋」が少年少女による恋愛ごっこの域を出なかったものが、(少なくとも主人公は)何年たっても忘れ得ない本気のものだったことに(恐らくは後になって)気付き、「止まった時計 なのに 好きの気持ちだけ 溢れてる」との気持ちに陥り、たった「一度だけ 触れたキス」がその思い入れや執着を強めているのだろう。

 そして思い切った行動に出なかった後悔が強いから、あるかどうか分からない再会に対して、「もう一度 会えるのなら その手を その手を 離さない」という想いを強めているのだろう。
 何より根本にあるのは「あなたを・・・ 忘れたくない 」という想いで、その想いは数ある真夜ソングの中にあって屈指の純粋さに裏打ちされていると思われる。

 個人的なことだが、道場主の初恋はその想いを全く相手に受け入れられなかったし、道場主自身その人には(若き日の純粋さもあって)キス以上の濃厚な接触が想像出来なかった(誰も信じてくれませんが………)。
 それゆえそんな過去の思い出をこの曲の主人公に重ねて解説したが……………………外れていたらめちゃくちゃ恥ずかしいな、これ(苦笑)
 

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令和五(2023)年一月一二日 最終更新