初恋と青空

         作詞 椎名恵 作曲 リスト 編曲 Super Project
解説 椎名恵さんがクラシックミュージックをカバーしたマキシシングル曲で、同じくクラシックミュージックのカバー版アルバム「toy box〜Classical〜」の4曲目に収録。原曲はリストの「バガニーニによる大練習曲」より「ラ・カンパネラ」となっている。アルバム歌詞カードの椎名さんのコメントによると「誰もが経験したことがある甘く切ない初恋をテーマにしたこの曲を、なんと…バラードにしてみました」とのことである。
 言うならば少女期の甘い甘い感傷を歌ったもので、とりわけ年増好みのダンエモンには理解し辛い境地である(苦笑)。この曲に色濃く現れているのはやはり「純情」ゆえに「好きだと告げられなくて 見ていただけの 初恋」への悔恨と言えようか?
 何度かあちこちの解説も書いたが道場主には惚れて告白しなかった試しはない。勿論初恋も同じである。それゆえと言うわけでもないのだがこの曲を初めとする「初恋」を言い訳に告白できずにいる曲の主人公は非難したくなる。それは多くの「初恋」が学生生活を舞台にしているところにある。つまり学生同志、条件はさほど変わらないのである。
 この曲では「どこかの娘と手をつないでて とても心が傷ついた」とあるが、当時学生の主人公の視点から見て「娘」だったのだから、恐らくはその「娘」も学生だろう。同じ学生が恋焦がれる人をものにしているのを目の当たりにして、「見ていただけ」「淡い想い消えた日」等と感傷に浸るだけで我慢が出来たのだろうか?結果論から言うと道場主は我慢できずに挑んで玉砕した。あくまで玉砕を恐れて「切ないほど純粋」さで己を押さえるのも確かに悪くはない。横恋慕は望ましからざる好意なのだから。だが挑める限りは挑んで欲しい、との気持ちをどうしてもダンエモンは捨てられない。
 初恋時の自分の行為を是とするならつらつらと悔やまないで欲しい。願わくばそれが上っ面で、「淡い想い消え」「大人になった」主人公がその辛さを糧に未来に想いを馳せていると信じたい所である。


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