Hello! good time

         作詞 椎名恵 作曲 佐藤健 編曲 見良津健雄
解説 椎名恵さんの19thシングル曲で、16thアルバム『Tell me』の3曲目に収録。憂鬱な今を捨てて新たな恋を目指そうとするよくある曲といえばよくある曲だが奥は深く、興味深さで他の類似曲の後塵を拝しはしない。
 孤独を厭い、誰かと供に歩いていたい気持ちを「冷たい指先暖めたい時は ポケットじゃダメさ、誰かとしっかり手をつなぎたい」という具体例を提起している所にまず注目したい。ダンエモンは道行くアベックで彼女が彼氏と手を繋いで同じポケットに入れているのを見ると、「手袋ぐらい買え」と思ってしまうが(苦笑)、この際目を瞑ろう、物の例えとして(笑)。
 他に注目したい点として、リズミカルな曲調の中のユニークな歌詞がある。それは「悲しみなんて道端に捨てればいい」である。勿論ポイ捨てはよくないのだが(笑)、抱えてきた「悲しみ」をポイ捨てするが如きの気軽さで例えている所が、暗い過去など歯牙にもかけず、未来に向かおうというメッセージが篭っていて心地いい。
 ダンエモンは概して椎名ソングの持つ重厚感に興味が行きがちなのだが、ライトでリズミカルなこの曲はそこに悲しみや見えない未来の不安に負けまい、否、問題にせず進もうという強い意志が裏打ちされていて実に気分がいい。この爽快感がこの曲の最大の魅力とダンエモンは信じる。
 もう一つ注目しておきたいのが、「時には優しい気持ちになりたくて ホントは毎日笑っていたくて みんな恋をするのね」である。誰だって憎むより愛する方が、傷つけるより慈しむ方を、争うより競い合う方を望むものである。確かにお互いの存在さえ許せない憎しみ愛の関係も残念ながらこの世に存在するし、ダンエモンも「生かしておけん」と思う人間が存在する(←これを見て「ダンエモンは冷血人間だ。」と思う人がいても恨みません)。それでもその時抱く気持ちは決して気分のいいものではない。例え片想いでも、叶わぬ恋でも愛情を抱いている時の方が遥かに幸せである、という当たり前でありながら忘れがちな事をこの歌は思い出させてくれるのである。
 「胸がうずくようなドラマティックな出会い もしかしてすぐそこに待ってるかもしれない」―恋に限らず人間同志の出会いに通うな気持ちを常に持ち続けたいものである。


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