HERO
作詞 DEAN PITCHFORD 作曲 JIM STEINMAN 訳詞 売野雅勇 編曲 本間昭光
解説 大黒摩季さんがボーカル、建部聡志氏がキーボード、真矢氏(LUNA SEA)がドラムス、恩田快人氏がバス、土谷公平氏がギター担当のバンド−大黒摩季とフレンズのアルバム『COPY BAND GENERATION VOL.1』のトリである7曲目に収録。ただしこの曲では本間昭光氏がキーボード、飯田高広氏がシンセサイザープログラミングを、林部直樹氏がエレキギターを担当し、AMAZONS(羽田智子さん、斉藤久美さん、大滝裕子さん)がコーラスに参加している。
原曲は同名の洋楽で、日本語カバーを麻倉美稀さんが歌ったものである。作曲者のJIM STEINMANはダンエモンが愛好する椎名恵さんがデビュー時に日本語カバーした「今夜はANGEL」、「悲しみは続かない」を作曲した人物で、彼の曲を摩季さんの声で聴けるのは真剣嬉しいものがある(嬉々)。
摩季さんの公式サイトである「Mドライブ」によると今年(2004年)秋に上映される映画「スクールウォーズHEROのテーマ曲らしいが、実際に世に出たのはかなり昔の筈で、ダンエモンの調査不足だが、耳に妙に馴染んでいる曲に間違いはない(断言)。
背景の解説にかなりスペースを割いてしまった…(苦笑)。では肝心の歌詞の解説に入りたい。まずはタイトルにもある「HERO」の定義だが、これが仮面ライダーやウルトラマンといった類のものでもなければ、織田信長や三国志の劉備のような類のものでもない。残念だったな、薩摩守にシルバータイタン(笑)。
ではどういう定義のものか?強いて言えば「理想の恋人」だろう。そしてその恋人を思う気持ち、その人の為に強くあろうと言う気持ちが如何なる危機からも救ってくれる「hero」なのだろう。主人公は正に「You need」である「hero」たらんとしている。
理想に限りはない。どこまでも追い求めるのは無理があるが、同時にいつでも抱け、いつでも求められる不滅の存在でもある。だから「胸に眠るヒーロー 掘り起こせ」や「つかまえてよ ヒーロー その手で」や「生命より 重い夢を 抱きしめて走れよ」と命令にも等しい声援が送れるのだろう。
そんな「ヒーロー」不在な状態は歌詞中の表現を用いれば、「夢をもし あきらめたら ただの残骸だよ」や「悲しみに 振り向いたら 明日が見えないよ」といった状態だろう。元の歌詞と思われる英語の部分でダンエモンが大好きで、且つこの曲のエッセンスとも思っているのが「And he's gotta be larger than life」−彼は命より大きなものであろうとしている。という歌詞である。
道場主は「特撮房」なんて房を作るぐらいヒーロー番組が好きである。また「戦国房」なんて房を作るぐらい英雄と称される人物の歴史が好きである。そして道場主は架空のヒーローにも歴史上の英雄にも極めて遠い存在である。しかし道場主は知っている。それらだけが「hero」という訳ではない事を。
特殊能力や権力や武力や財力がなくても心掛け一つで愛する誰かにとっての「hero」になれる−そんな道場主の信念を図らずもこの曲は代弁してくれた。
誤解を恐れずに断言したい。快感である。
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