作詞・作曲:大黒摩季 / 編曲:DJ.YUTAKA, m.c.A・T
解説 6年間の無期限活動休止から復帰した摩季ネェがデジタル配信限定でリリースした曲で、後に14thアルバム『MUSIC MUCSLE』Disc1「FIGHTING MUSCLE」の2曲目にアルバム・バージョンが、ベスト版アルバム『Greatest Hits 1991-2016 〜All Singles +〜』Disc3の14曲目に元のシングル・バージョンが収録されている(歌詞に相違はない)。
ミズノ WAVE RIDER 20 TVのCMソングに起用された。
歌詞の構成として特徴的なのは歌詞の序盤に往年の摩季ソングのタイトルが使用されていることである。「 “熱くなれ” と歌った あの頃の私達」、「 “チョット” くすぐられただけで燃え上がれていたよね 今じゃ何にも夢中になれない “DA・KA・RA” 」がそうだが、それと云うのも、摩季ネェが復帰のテーマとした、
「若い世代を奮い立たせるには、まず彼らに背中を見せるべき私達の世代が熱くならないと!」
という同胞達を鼓舞するメッセージを盛り込めばこそである。
それゆえタイトルでもある「Higher↗↗Higher↗↗」以外にも、「Movin’ Movin’ Baby」、「Groovin’ Groovin’ Baby」、「Shakin’ Shakin’ Your Body」と云った歌詞の繰り返しが曲調を盛り上げ、「くすぶってる 本能に火を点けてあげましょう」、「頑固な理性をBreak It!! Here We Go!!」、そしてラストの「Everybody もう一度 Change it!! Here We Go!!!!!」と云った、感情の爆発を彷彿とさせる歌詞に繋がっている。
歌詞の中には「今じゃ何にも夢中になれない」や「強くなり過ぎればLonely 守り抜いてきたはずの愛もつれない」や「幸せになるために 背負った重荷だけれど 幸せに思えない」と云ったネガティブを連想させるものもあるが、ならばそれに対してどうしたいかは他ならぬ主人公が充分認識しており、即座に「今!! Turn Around☆」、「Higher↗↗ Higher↗↗ 壊せ」、「少しくらい 自分を生きても罰は当たらない」、「快楽はデジタルの外にある」と云った歌詞に続くところが、破壊的であり創造的でもあり、自らの望みに忠実であるところが、どこか「ROCKs」と被る。
そしてそれは摩季ネェが最初から志した原点への回帰でもある。正しく大黒摩季版「Boys be ambitious」であり、大黒摩季版「初心忘れるべからず」であり、大黒摩季版「天上天下唯我独尊」であろう。
タイトルが「Higher↗↗Higher↗↗」=「より高く」とある様に、上昇志向に溢れたこの曲がライブで歌われる際にはライブタオルを頭上で大きく振り回して摩季ネェと観客がともにより高みへのし上がろうとの一体感に包まれる。
正に6年間、動けなかったくすぶりの爆発を具現化した名曲と云えよう。
摩季の間へ戻る 令和四(2022)年六月二二日 最終更新