一日前のBirthday
解説 椎名恵さんのフィフス・アルバム『Dolce〜ドルチェ〜』の4曲目に収録。
道場主はアーティストコレクションシリーズアルバムでも所持している。「29Twenty-nine」や「14時間遅れの誕生日」が自分の誕生日をテーマにしているのに対し、こちらは「あなた」の誕生日、正確にはタイトル通り「一日前のBirthday」がテーマになっている。
主人公及び「あなた」の年齢は不詳だが、冒頭の「Show Windowに映ってる 足早に歩く私が 見違える程きれいだわ 不思議よ自分でも」には夢見る少女にも負けないときめきが感じられる(笑)。真剣な話、本当に幸せな表情をしているのだろう。道場主も数少ない女性との付き合いの中で様々な表情を見てきたが、表情からくるものは明らかに元の容貌を凌駕する、女性の魅力を際だ出せる上で重要なファクターである。少なくとも嬉し泣きを除いて泣き顔は一切見たくない(自慢じゃないが嘘無き・半泣きを含めて3人ばかり記憶から消したい泣き顔がある)。
興味深いのは「あなた」の誕生日の一日前に主人公が何かをつかんだか、悟ったかしていることである。勿論推測の域を出ないのだが、主人公は妙に「今日が過ぎてしまう前に あなたに会いたい」、「一日早いBirthday」にこだわっている。「今のまま伝えたい」とあるから誕生日の前日である、別の言い方をすると今現在の年齢の「あなた」に対して、という事に意味があるのだろう。
これまた推測の域を出ないのだが、主人公が「一日早いBirthday」に「あなた」に会いたがるのは「あなたに寂しいと 初めて言えたあの日から 素直になれたから」にヒントがある気がする。「あなた」のことを考える主人公は「こんなにも嬉しいのは 久し振りなのに」とあるようにその嬉しさが見ているこっちまで嬉しくなるほどである。恐らく「あなた」に出会う前の主人公は素直さに欠けた、どこかクールで感情の起伏に乏しい生き方をしていたのではないかと思われる。
推測の域を出ない事が多いのが残念なのだが、一つ確実に言えることがある。それは喜びと「一日前」にこだわるほどのなにがしかの確信を得てその自信を漲らせた主人公の笑顔を是非見てみたいという事である。
恵の間へ戻る