I'm so sorry

作詞 椎名恵 作曲 和泉常寛 編曲 勝又隆一
解説 椎名恵さんの9thアルバム『ガラスの月』の5番目に収録。わがままを返された主人公がそれを詫びるのが趣旨である。
 同アルバム収録曲の中ではストーリー的な歌詞の流れが異彩を放っている。そしてそのストーリーは「約束のドライブ」であるデートが根本なのだが、ドライブそのものに重点が置かれていない事も一風変わっている。
 簡単にストーリーを追うと、「ドライブ」はいきなり主人公が運転手の役を担わされ、海に出かけたはいいが、どうも恋人同士で安らぐ雰囲気ではない。
 しかも帰りには「あなた」が運転するはずだったのに約束は反故にされ、しかも「あなた」は居眠っている。そんな楽しい筈の「ドライブ」「甘えて」いることもできず、ただ「部屋」「夏の初めの陽差しに揺れる海」を往復しただけの味気ないものになった原因を主人公は普段のわがままにあることを悟り、タイトル通り「I'm so sorry」と詫び、自らの矯正を誓う事で改めて愛を求めている、といった流れである。
 そう思うと「あなた」の居眠りにどこか作為を感じてしまうものだ(苦笑)。
 注目すべき点は二点。まずは「困らせないでわがままならこれから 気をつける約束するから」にある様に、主人公はわがままを返された事でようやくにして普段の自分の至らざる点に気付いているのである。
 わが身に降りかかってようやく気付く、というのは望ましからざることなれど、往々にして大半の人に当てはまる事だろう。恥ずかしながらダンエモンも例外とは言えない。
 もう一点は「部屋に着いたらいつもよりやさしく 抱きしめてすぐ」の歌詞で、これだけをみれば「舌の根も乾かぬ内にわがままか?」とか「欲張り」という台詞を持ってきたくなるが、主人公はわがままを直す前提の元に要求している。
 いささか主人公に好意的過ぎる見方だが、主人公は自らの至らぬ点を今この瞬間にも駆逐せん、との意気込みがあるからこそ、わがままの上塗りとも取られかねない要求を臆面もなく出せるのではないだろうか?「いつもよりやさしく」という歌詞にその意が含まれているような気がする。多分、そうあって欲しいとの願望ゆえにそう聞こえるのだとは思うが。
 少なくともダンエモンはこの歌詞を初めて聴いたとき、「わがまま」よりも微笑ましさと可愛らしさを感じた。


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