IT'S ALL RIGHT(PV)

解説 摩季ネェのアルバム『すっぴん』限定盤のDisc2(DVD)に収録された「IT’S ALL RIGHT」のプロモーション映像である。

 「IT’S ALL RIGHT」こそは2010年8月25日に無期限活動休止宣言を出した時点からさかのぼって最も新しいマキシシングル曲で、同時に2010年の摩季ネェライブを牽引してきた1曲と言っても過言ではない。贅沢を言えばすべての曲でプロモーション映像を見たいものだが、それでもこのアルバムにこの曲のPVがあったのは邂逅という意味と、再会という意味で嬉しかった。
というのも、ダンエモンはアルバム『すっぴん』リリース前に参加したライブ・スナック摩季にて、ライブ開始前に同じPVが流されていたのを見ていた。こういう粋な計らいは今後も期待したいものである(笑)。

 PV映像はミュージシャンを目指すアルバイター青年が、四六時中ウォークマンを離さない就業振りを店長らしき初老の男性に不真面目と咎められながら作曲やストリートミュージックに頑張り、職場とは違う青年のその姿に店長は音楽の事を知らないなりにある種の好感を抱き、言葉はなくともささやかな労いや笑顔で青年を応援するようになっている。
 そのストーリーと並行して摩季ネェがスタジオにて時に白の衣装で、時に黒の衣装で歌う映像が交じり(当然歌唱はずっと続いている)、後半ではストリートミュージックで歌う青年や見守る店長の口の動きもまた「IT’S ALL RIGHT」を歌っているのだった。

 その店長と青年が務める居酒屋の客や、ストリートミュージックを聴く聴衆の中に摩季ネェがこっそり交じっているのを探すのまた楽しかったりする(笑)。
 プロボクサーやお笑い芸人等と同様にミュージシャンもまた、新米時代は本業だけで糊口をしのげず、バイトにも精を出さなければならない、と聞いた事がある。ダンエモンは学生時代から音楽・体育・美術・技術家庭科と言った芸能科目が丸で苦手だったのでミュージシャンになるなど目指した事すらなかったから映像に出ていた青年みたいな人生は送った事はないし、世にあるすべての職業に理解がある訳じゃないが、それでも真剣な目をして生きていきたい事を思い直させられた映像だった。その為にも「君が信じるものを信じればいい」という歌詞を正しく、強く、揺るぎなく噛み締めたいものである。


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平成二四(2012)年四月一三日 最終更新