いつか恋をしたら

         作詞 椎名恵 作曲 羽場仁志 編曲 戸塚修
解説 椎名恵さんの8thアルバム『Because of the rain』のトリである10曲目に収録。ラストを飾る曲にしては少々寂しさ漂う曲である。
 失くした恋を懐かしみ、惜しみ、寂しさに打ちひしがれる中で落ち着きを取り戻そうという意の曲である。
 「暖かな日曜は 公園をよく歩いたね」という比較的ほのぼのした歌詞から始まると思いきや、「どんな時も 私のこと守ってくれたよね 想い出せば あなたにつつまれてた恋だった」という風に静かな熱さも併せ持っている。
 派手さはなくとも大切な恋だったから、主人公は「少し痩せたわ あの日から変わったの」となり、「別れてから 恋を忘れたように生きてきた」のだろう。架空の世界とはいえ「痩せたわ」となるところを見ると「椎名さんも女やなあ(笑)」と思ってしまう(←「椎名さんに失礼な!」by道場主)。
 場面として注目したいのは「子供達が遊んでる もしここにあなたが居たら かわいいねと照れたでしょう あなたは結婚を望んだから」である。恐らくは「結婚」という形にこだわるこだわらないの相違で二人は別れたと見える。余談だがダンエモンは結婚願望ありである。
 だが何と言ってもこの曲のコアはラストである。偉大なる医者である時の流れを経て、主人公は痛手から立ち直り、「やっと少し 心から笑える日ができた」ことから「いつか恋をしたなら その時は伝えるわ」となっているところ、過去を想い出として整理できた様が一番の注目所である。
 道場主の初恋の人は本当に優しい人だった。2004年10月現在、その失恋から13年の時を経ようとしている。彼女は自分が私の愛を拒絶することが私の心に痛みを与えるであろうことを心配していた。
 彼女が最も心配した受験への影響は大学に合格することで拭う事ができたが、未だに道場主が独り者であり続けていることを知ればやはり痛みを覚えるかもしれない。
 「いつか恋をしたなら その時は伝」えたいと思っている。


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