いつか見える…きっとわかる…

         作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし
解説 アルバム『DA・DA・DA』のトリの曲である。激しいリズムの曲が多いこのアルバムの中で「MANHATTAN BEACH」とこの「いつか見える…… きっと分る……」は静かな曲である。特にこの曲は「MANHATTAN BEACH」以上に静寂が似合う曲である。
 この曲は例えて言えば誓いの曲である。様々な苦難を乗り越えて、漸く信じられる愛に出会えた女性の今と未来を信じてどこまでも共に進んでいく気持ちが込められている(ここまで断言して見込み違いだったらどうしよう……苦笑)。
 その気持ちは歌詞で言えば「言葉なら消えそうで 広い背中そっと誓った」「諦めて抱き締めて かけがえのないものになれ」「信じきれないままで優しさ求め続けて あなたを追い詰めたきのうにさよならして」の部分に見事なまでに現れている。列挙してみて、改めてこの主人公は多くの苦難を乗り切ってきたんだな、と感じさせられる。
 「労せずして得た物は去るもまた易し」という言葉がある。その言葉と比較して考えるときっとこの愛は永続するだろう、と思われるし、そうあって欲しいものだと感じさせる歌詞で構成されるこの歌はまさしくアルバム『DA・DA・DA』のトリを務めるのに相応しい曲である。
 多くの苦難を乗り越えるには信じたくて信じられない事象を乗り切ってきた経緯は歌詞にも見えるが、単に乗り切ってきただけでなくその苦難は主人公の骨となり肉となっているのも確かである。主人公は目に見えぬものを信じて貫くということを物にしたからこそ、曲の締めと題名が「いつか見える…… きっと分る……」となるのだろう。
 そしてそれが二人にとって共通なのは全くもって羨ましくもある。これほど静かながら熱い歌は摩季ソングの中にも少ない。是非ともこの曲のような静かで熱い曲を今後も期待したいものである。

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