いつも二人で
作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 建部聡志
解説 岡本真夜さんの9thアルバム『再会〜君に綴る〜』の4曲目に収録。ただの友達の筈がいつの間にか愛しい相手になっていた事に戸惑いつつも、それを大切にしたい気持ちを歌ったものである。
歌詞とは別の所でいの一番に注目したいのは外野の台詞である。「"いとをかし"」と「"ありえない"」がそれであるが、外野の声が歌詞カードに書かれるのも珍しけりゃ古語と流行語を交えた台詞も真夜ソングには珍しい点である。
さて、友達がいつの間にか愛する人になっていたというのは恋愛小説や恋愛漫画によくあるパターンだが、注目したいのは相手の「あなた」もまた「気づけば側で あなたが笑っていた」、「待ち合わせは いつもの高架下で 「やあ、奇遇だね」なんて 今日もふざけてくる」という風にある種のテレをにじませていて、それを含めて主人公が微笑ましく思っている姿が印象的である。
全体を通してこの曲の歌詞はオーソドックスで曲調的にも同アルバム収録曲中では影を薄いものにしている。がしかし、改めて同アルバムのタイトルである『再会〜君に綴る〜』と対比して欲しい。この曲の主人公と「あなた」は友達として常々ともにーそれこそ恋に落ちたことにすぐに気づき得ないほどーいて一見、『再会』とは無縁に映る。がしかし、「あなた」が友達ではなく、愛する人と気付いて、新しい「あなた」として以前の「あなた」と時間的には間はなくても、心の上で間を置いて、間違いなく『再会』を果たしたのである。そういう意味では最もこのアルバムに相応しい曲かもしれない。
道場主は初恋の人と知り合ってから恋焦がれるまで4年の時間が経過し、約2年間の顔を合わさない時間があった。2年のブランクを経て、再会からしばらくしてその人がかつての彼女と同一人物であって同一人物でない不思議な感覚に囚われた日の事を昨日のことの様によく覚えている。
いつもいつも供にいたこの曲の主人公と「あなた」とは一緒にできないが、以外で不思議で心地良い気持ちは理解できるつもりである。
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