12月の熱い夏

         作詞 麻生圭子 作曲 椎名恵 編曲 戸塚修
解説 椎名恵さんのフォースアルバム『29〜Twenty nine ダブルコンチェルト』の7曲目に収録。同アルバム収録曲及び椎名ソング全体としてはちょっとダンエモンにとって影の薄い曲である。
 タイトルに「12月の熱い夏」とあるということは舞台は南半球だろうか?ダンエモンは日本の冬に夏の国と言えば何故かいの一番にオーストラリアを思い出す。別にアルゼンチンやマダガスカルでもいいのだが……。
 「来てよかった」「抜け出して来た」の歌詞から推測すると何かから逃れてわざわざ日本から南半球に来たようである。贅沢な…(苦笑←注:2004年3月現在、ダンエモンに海外に出た経験なし)。
 「X'masには 興味がない」としているのは恐らく強がりだろう。推測するに一人の女とキャリアウーマンとしての暮らしの狭間で揺れ動いているのだろう。「まだあの頃は 夢があった 愛せる男性が サンタクロースと」には夢見る少女でいたい気持ちが、「このキャリア(くらし) やっと手にしたのよ」にはキャリアウーマンとしてバリバリやっていきたい気持ちが現れている。そしてあちらを立てればこちらがたたずの現状を歌ったものが「素敵な女性に 近づく度 愛せる男性は 遠ざかるわ」である。
 勿論主人公が一番恐れているのは「それはいつまで」とある様に退くも進むも迷いの時間がいつまで許されるかさえ見えていない事だろう。何事も先行きが見えないのは楽しみより不安の方が大きいものである。主人公がどちらを取るか迷っている相反するものを例えてタイトルを「12月の熱い夏」しているなら秀逸である。
 最後に一つだけこの曲について残念な事がある。椎名さんの歌に「Xmasには花束を抱えて」と言うのがあるのだが、スペリングに注目して頂きたい。クリスマスを「X'mas」とするのは誤り(英和辞典に書いてある)で、「Xmas」とするのが正しい。先に「Xmasには花束を抱えて」の存在を知り、「間違っていない…。さすが英文に造詣の深い椎名さんだ。」と感心していたダンエモンとしてはこの曲で「X'mas」となっているのが些か残念である。


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