彼女の選択
解説 椎名恵さんのフィフス・アルバム『Dolce〜ドルチェ〜』の7曲目と15thアルバム『S』の2曲目に収録。道場主はアーティストコレクションシリーズアルバムでも所持している。一言で言うなら女同士の友情を歌ったものである。
背景にあるのは「彼女」つまり女友達の結婚で、旧友同志で今現在はさほど顔を合わせていないのだろう。歌詞の随所に互いに気遣い合う様が見られ、式に参加するかどうか極めて疑わしい。「あなたはあなたへの幸せ それだけ考えて 遠くで見送るわ」という歌詞を見ると二人は固い友情で結ばれつつ、直接顔を合わすには気まずい物を引き摺っている様である。
それは何かと考察すれば「私も悩んだ日があった 彼との事 今まで続けてきた仕事 やめられなくて」や「二人で居ても 同じ寂しさなら 孤独の方がいい」と考えて恋愛を結婚に結びつける事ができなかった主人公の過去が関連している様である。恐らく主人公は面と向かって祝福できるほどに過去の傷を回復させていないのだろう。さりながら「私のことは 心配しないで」、と一見矛盾する想いで呼び掛けている。そこに友情と感情の複雑さがある。
自慢じゃないがダンエモンは嫉妬深い男である。それでも本当に祝福すべきを祝福する心は持っているつもりである。「電話もこれからはしないわ 少しだけ寂しい気がするけど」とあるように相手の家庭を考えると同性同志でも簡単には連絡ができなくなる事が多い。ましてや異性なら何をかいわんやである。祝福すべき相手の祝福すべき時は盛大に行いたいものである(…とこれを書いている横でTVでキスシーンが展開されている事に嫉妬している自分が情けないダンエモンであった)。
恵の間へ戻る