風になりたい
解説 椎名恵さんがクラシックミュージックをカバーしたマキシシングル「初恋と青空」のC/W曲で、同じくクラシックミュージックのカバー版アルバム「toy box〜Classical〜」の8曲目に収録。原曲はベートーベンの「ピアノソナタ.作品13"悲壮"より第2楽章」、マルティーニ「愛の歓び」となっている。つまりミックスである。
一言で言えば告白を決意する歌と言えようか?ダンエモンが注目したいのは自らの愛への揺るぎ無い信念である。主人公が今一番望んでいることが「風になって あなたの元へ愛を届けたい」だが、それ以上出もそれ以下でもない、否、というよりはそのような可能不可能、是非を通り越して主人公は「あなた」を愛していることに喜びを持っているのである。
それを詳らかにする為にある一点に注目したい。それは歌詞で言えば「愛すよりも 愛されたいと望んでいたけど」の下りである。基本的に「愛すより」も「愛され」る方が外聞も良く、自らに自信を持つ基ともなる。また「愛され」る人間である方が「愛す」る人に振り向いてもらえる可能性も高い。ゆえに愛されることを人は望む。
しかしこの曲の主人公はそんな理屈を超越して、「「誰にも渡したくない」」という気持ちを強く持ち、「眠り待つ、それだけの 夜をただ、過ご」すよりも「「愛は与えるものなの」」という信念で想っている方が遥かに幸せであることに気づいたのである。
余談だが、かつて道場主は初恋の日に相手を畏敬する余り、自らは相手に全く釣り合わない男と決めてかかっていた。それゆえに自らが愛する人を抱くことは考えもせず、ただその人に相応しい男性とともになる事、悪い虫が近寄らないことを願ったが、結局は「誰にも渡したくない」の気持ちを抱くに至った。結果として道場主の願いは後者は敗れ、前者は叶った。己の嫉妬深さは嫌いだが、それと「誰にも渡したくない」という気持ちは似て非なるものだと考えるゆえにダンエモンはいつの日か愛するであろう人にその想いを持ちつつ、自らもそういう想いを持たれる様精進したい。相思相愛が一番なのは言うまでもない事だから。
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